2022 Fiscal Year Research-status Report
Inverse problems for degenerate hyperbolic partial differential equations on manifolds
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22K20340
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高瀬 裕志 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 助教 (60963204)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 一意接続性 / 逆問題解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
境界で計量が発散する共形コンパクトなローレンツ多様体上における波動方程式の局所的な一意接続性定理を得た.この結果は,ある種の凸性及び境界近くで解が十分減衰することを仮定する.特性曲面でコーシーデータを与えた場合の一意接続性定理としては新たな結果である一方,局所的な主張であるためこのままでは逆問題解析にまで応用することは難しい.さらに解の減衰への仮定を弱めることができるのか,また大域的な主張を得ることができるのかは未解決である.技術的には大域的なカーレマン評価を得ることが今後の課題の一つである. また大域的なカーレマン評価に関連し,コンパクトなローレンツ多様体上における波源項決定逆問題の大域リプシッツ型安定性評価を証明した.これは,これまで得られていた局所的なヘルダー型安定性を改良する成果である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定していた共形コンパクトなローレンツ多様体上での逆問題解析が未着手であるため.
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Strategy for Future Research Activity |
まずは大域的なカーレマン評価を証明し,大域的な一意接続性定理を証明する.解の性質から,大域的な一意接続性を証明するためには時間無限大のコーシーデータが必要となることも想定する.その結果をもとに逆問題解析を適切に定式化し,この大域カーレマン評価を応用する.
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Causes of Carryover |
コロナ禍による研究集会のオンライン開催が生じ,旅費として使用できなかったため.翌年度は旅費及び論文作成のためのパソコン周辺機器購入のための物品費として使用する.
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