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2022 Fiscal Year Research-status Report

定温制御したプラズモニックボロメータの高度集積による超小型中赤外分光器の開発

Research Project

Project/Area Number 22K20424
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

安永 竣  東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任研究員 (80963628)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords中赤外線 / 分光 / プラズモニクス / ボロメータ / フィードバック制御
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,プラズモニック構造をもつボロメータの定温制御により,常温・常圧で高速に動作するフィルタフリーのワンチップ中赤外分光器の実現可能性を検証することを目的としている.互いに異なるプラズモニック構造をもつボロメータを単純に配列したデバイスが完成しており,その特性を評価したところ,個々のときとは異なる波長感度特性が得られることが明らかとなっていたため,研究課題のなかでその原因の特定をまず行い,各素子を定温制御することで所望の特性が得られるかを検討する計画である.
本年度は,集積デバイスの熱伝達の評価および,原因究明および定温制御が可能となる第2世代のデバイスの設計および製作への着手,そして定温制御のためのフィードバック機構の見直しを行った.
本研究申請時にはボロメータ素子間の空気を介した熱伝達が支配的であると考えていたが,集積デバイスの熱伝達の評価の結果,むしろディテクタを支持する脚部を伝い,デバイス本体を介して相互に熱をやり取りする経路が支配的であることがわかった.これを踏まえて,第2世代のデバイス設計においては,脚部の熱伝達を抑える設計に変更しており,製作が進行中である.
一方,定温制御のためのフィードバック機構については文献調査を進めており,R5年度前期までに専用の制御回路を設計のうえ,年度内に回路まで集積したデバイスの計測を行える計画である.
なお,日本機械学会2022年度年次大会において本研究成果を口頭発表した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

概要に記したとおり,配列したボロメータ素子間の熱的相関の原因として,研究着手時点では空気を介する経路が支配的であると考えていたが,理論検討をすすめるなかで,脚部を伝う経路がむしろ支配的であると判明した.このことから,原因究明という観点では大きな進捗があったと言えるものの,それを実験的に検証するデバイスの設計を始める必要に迫られ,時間を要した.また,それにともなってデバイス設計に変更が生じたので,その構造を実現するMEMSプロセス (具体的にはSOI基板の裏掘りを,応力により破損させることなく大面積にわたって行う方法) の条件だしも進捗中である.しかし,研究協力者の的確な助言により,問題を着実に解き進められており,遅れは許容範囲内である.

Strategy for Future Research Activity

ボロメータ素子間の信号の相関の原因究明と実際の定温制御に向けた第2世代のデバイスは,現在設計中のものの製作を着実に進め,6月中には計測にこぎつける予定である.
また並行して,フィードバック定温制御用の電子回路の文献調査および設計を行い,ファウンドリに製作を依頼する.6ヶ月程度で納品が見込まれるので,ポストプロセスによりボロメータを同一回路内に組込み,年度内にフィードバック回路まで一体化したデバイスの計測を十分行える見込みである.

Causes of Carryover

国際学会 (IEEE MEMS) での発表にかかる経費を計上していたが,期日までに発表に足る成果が得られず,不参加となったため差額が生じた.また,実験計画には真空チャンバを用いた空気の熱伝達の寄与を検証する実験セットアップ用の費用を含めていたが,前述のとおり原理の見直しを行ったため,未購入である.以上が本年度の差額が生じた主な理由である.
本年度の遅れを念頭に,R5年度において,第2世代デバイス以降の設計製作を加速して行う予定であり,それにともなって東京大学武田クリーンルームの利用料が増える見込みである.この製作費用および本年度購入を見送った実験セットアップに代わる実験セットアップの購入費用を,本年度の繰越分に充てる計画である.

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 再構成分光法のための中赤外ディテクタ集積デバイス2022

    • Author(s)
      安永竣
    • Organizer
      日本機械学会 2022年度年次大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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