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2022 Fiscal Year Research-status Report

Estimation of amount of air-borne salt adhered to structural surface by multiscale airflow analysis

Research Project

Project/Area Number 22K20453
Research InstitutionMatsue National College of Technology

Principal Investigator

坪倉 佑太  松江工業高等専門学校, 環境・建設工学科, 助教 (40964846)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords飛来塩分 / 腐食 / 維持管理 / CFD
Outline of Annual Research Achievements

本研究の目的は,①従来の飛来塩分量の観測法であるドライガーゼ法と,領域気象モデル WRFによる風速場の解析を組み合わせた,大気中塩分濃度の評価手法の構築,および②構造物に付着する塩分量の定量的かつ簡便な推定手法を提案することである.今年度は,特に①のWRF解析の飛躍的な精度向上に主眼を多き,研究を進めた.なお,当初の予定では,WRFにおいては風速場のみを対象とした解析を行う予定であったが,腐食環境把握の効率化の観点からWRFによる海塩粒子濃度予測の精度向上についても同時に取り組んだ.
具体的には,WRFによる風速予測の対象期間を2014年10月から2015年12月,海塩粒子濃度予測の対象期間を2015年10月とし,観測値と比較することで解析精度の検証を行った.対象地点は松江工業高等専門学校地点を中心とした領域である.結果として,風速場の解析精度には,土地利用データの精度が大きく影響することが明らかになった.また,海塩粒子量予測においては,汽水湖からの塩分の発生を適切に考慮すること,および海岸線を適切に反映することが重要であることが明らかになった.
一方,②構造物に付着する塩分量の定量的かつ簡便な推定手法の提案についても,今年度基礎的な検討に着手した.具体的には,矩形断面を対象として,粒子飛散解析を実施し,矩形断面の断面辺長比が粒子の飛散・付着プロセスに大きく寄与することを明らかにした.また,矩形断面に高欄を想定した突起物を付加した構造形状を対象として解析を実施したところ,高欄の影響で矩形断面と比べて付着量が大きく変化することが明らかになった.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では,①ドライガーゼ法と,領域気象モデル WRFによる風速場の解析を組み合わせた,大気中塩分濃度の評価手法の構築,および②簡便な付着量推定手法の開発をテーマとしている.今年度は,①に研究の主軸を置き,十分な成果を得ることが出来た.また,②についても基礎的な検討に着手していることから,全体としての進捗はおおむね順調であると判断される.

Strategy for Future Research Activity

①ドライガーゼ法と,領域気象モデル WRFによる風速場の解析を組み合わせた,大気中塩分濃度の評価手法の構築については,来年度も風速場の推定精度の検証を進める予定であり,ドライガーゼ法の観測値と組み合わせることで大気中海塩粒子濃度を簡易的に算出することを試みる.
また,次年度は②簡便な付着量推定手法の開発について検討を進める.これまでに,基本形状を有する構造物を対象として,数値流体解析 (CFD)を用いた流れ場および粒子挙動の評価を実施し,断面辺長比と飛散過程・付着分布の関係を明らかにした.次年度は,実橋梁を想定し,主桁を再現した構造形状と粒子の飛散・付着分布の関係を明らかにする.
次に,数値解析による粒子の輸送・付着過程の妥当性を検証するため,風洞を用いた可視化実験によって,構造物周囲での粒子の挙動を評価する.可視化実験では,風が吹いている風洞内に煙(微粒子)を噴出し,その粒子を高速度カメラで捉えることによって粒子挙動を算出する.
更に,定量的かつ簡便な付着量推定の実現を念頭に,粒子の壁面への付着率について検討する.具体的には,CFDで平板近傍の粒子挙動を評価し,平板に衝突した時点で,van der Waals力などからなる付着力と粒子の衝突速度およびヤング率等から決まる反発力を与えることで,付着する粒子の割合(=付着率)を算出する.

Causes of Carryover

京都大学のスーパーコンピュータの使用を予定していたが,半導体の不足という情勢から,スーパーコンピューターの更新期間が大幅に伸び,当初予定していたほど使用できなかったため次年度使用額が生じた.この金額は,次年度のスーパーコンピューターの計算資源量の増量や,高性能計算機の購入など,主に計算環境の充実に利用したいと考えている.
また,領域気象モデルWRFによる風速場の解析結果の妥当性検証のために用いる予定であった超音波式風向風速計は,研究の進捗に伴い,次年度に購入することとしたため,次年度使用額が生じた.

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Published: 2023-12-25  

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