2022 Fiscal Year Research-status Report
バイオフィルム形成を抑制する疲労による金属表面の創生
Project/Area Number |
22K20505
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
岩崎 真実 富山大学, 学術研究部工学系, 助教 (00965973)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 医療材料金属 / 撥水性 / 抗菌性 |
Outline of Annual Research Achievements |
医療材料金属として純チタンおよびチタン合金を使用した.丸棒試験片でのねじり疲労試験においては,純チタンではマイクロテクスチャー創生を確認することができた.純チタンよりも硬く,すべり帯の発生がより困難なチタン合金においては,マイクロテクスチャー創生を確認することはできなかった.マイクロテクスチャー創生純チタンにおいて,抗菌試験を行ったが,抗菌性の確認はできなかった.短冊形試験片での引張疲労試験において,純チタンとチタン合金両方において,リューダース帯と呼ばれる引張疲労に特徴的なマイクロテクスチャー創生を確認することができた.撥水性試験を実施したところ,両金属において,わずかであるが接触角が増大し,撥水性を確認することができた.抗菌試験を行ったところ,検体によって抗菌性の有無が分かれ,一概に抗菌性付与に成功したとは言えなかった. マイクロテクスチャー創生に成功した試験片の疲労強度については,純チタンはわずかな疲労でマイクロテクスチャーが出現するため,著しい低下は見られなかった.一方,チタン合金においては破断寸前で,はじめてマイクロテクスチャーが出現するため,著しい低下が確認された.純チタンにおいては強度を維持したまま,抗菌性を持たせることが期待でき,医療現場への応用も期待できる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りマイクロテクスチャー創生に成功し,抗菌性の確認ができているため,計画通りに進行している.
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Strategy for Future Research Activity |
検体数を増やして再現実験を行い,抗菌性が向上するか否かを明確にする.また,表面粗さと撥水性・抗菌性の関係性も検証する.
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Causes of Carryover |
テクスチャー創生の条件検討にもっと予算が必要であると想定していたが,この点においては順調に進んだため,想定より出費が少なくなった.
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