2022 Fiscal Year Research-status Report
Hyperspectral Cameraを用いた脳神経外科術中支援システムの開発
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22K20508
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩城 克馬 九州大学, 大学病院, 助教 (10965247)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | ハイパースペクトルカメラ / 術中支援システム / てんかん / 脳腫瘍 / 酸素飽和度 |
Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍症例におけるハイパースペクトルカメラ撮影、脳表酸素飽和度解析の症例を4例追加し、現時点で7例となっている。酸素飽和度解析では、術前の造影効果が少ないもの、特に低悪性度の腫瘍に関しては正常脳表酸素飽和度と比較して、酸素飽和度が低下している場合が多い、また、髄膜腫や悪性度の高い、血流が豊富な腫瘍に関しては正常脳表と比較して、酸素飽和度が上昇している場合が多い。このように腫瘍組織では正常脳表と酸素飽和度の違いが認められており、そのことを元に腫瘍と正常組織との判別が達成できる可能性が高いと考えている。目標症例数を10例としており、症例数は順調に増えている。 てんかん症例におけるハイパースペクトルカメラ撮影、脳表酸素飽和度解析の症例を2例追加し、現時点で4例となっている。てんかん症例ではてんかんのどのフェーズに位置しているかで、酸素飽和度の状況が変わるということが分かってきた。つまり、てんかんの発作時には酸素飽和度が上昇している可能性が高く、発作間欠期には酸素飽和度が低下している可能性が示唆される。そのことは術中脳波との関連性が認められる可能性が高く、現在解析中である。てんかん症例は特に、実際の手術所見では判別がほとんどできない症例でも、酸素飽和度をハイパースペクトルカメラを使用して解析することにより、判別が可能となると考えている。目標症例数は10例であり、さらに症例を蓄積していき、解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
脳腫瘍症例、てんかん症例ともに症例の蓄積、酸素飽和度の解析を進めている。それぞれ結果をまとめ、学会発表や論文作成の準備も進めている。 脳腫瘍症例に関しては目標症例数に到達出来ると考えるが、てんかん症例で目標症例数への到達ペースがやや遅れているため、進捗状況をやや遅れているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
脳腫瘍症例、てんかん症例における術中ハイパースペクトルカメラ撮影、脳表酸素飽和度解析の症例数をさらに蓄積していき、正常脳組織との判別ができるかどうかを検討する。その結果でハイパースペクトルカメラが術中支援システムとして妥当性があるかどうかを評価していく。結果は学会発表、論文にまとめていく。
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Causes of Carryover |
今年度は症例の蓄積を主に目的としており、解析用の物品購入を行わなかった。次年度に主に解析、まとめを行うため、物品購入や旅費が必要になると考えられる。
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