2022 Fiscal Year Research-status Report
脂質酸化酵素のクロストークにより産生される新規生理活性脂質の探索
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22K20570
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 史恵 名古屋大学, 生命農学研究科, 助教 (60961612)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 5-リポキシゲナーゼ / シクロオキシゲナーゼ-2 / トロンボキサン合成酵素 / 生理活性脂質 / エイコサノイド |
Outline of Annual Research Achievements |
標品5-OH-thromboxane B2の作製を行った。作製には一重項酸素付加反応を用い、thromboxane B2と光増感剤であるメチレンブルーを4℃にて一晩反応させた。サンプルをHPLCにより分析・精製した後、質量分析装置による解析を行った結果、 thromboxane B2の5位の炭素にOH基を有する5-OH-thromboxane B2の生成が確認された。さらに、精製した標品5-OH-thromboxane B2を用いて、質量分析装置による検出の最適化を行い、5-OH-thromboxane B2の定量方法を確立した。 5-OH-thromboxane B2を検出するin vitroの系の確立を行った。5-OH-thromboxane B2の産生に必要な酵素である5-リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ-2、トロンボキサン合成酵素の3つの酵素の発現が期待されるヒト血液由来細胞であるHL-60を用いて検討を行った。DMSOを4日間処理し、成熟顆粒球へと分化させたのち、LPS刺激によりシクロオキシゲナーゼ-2の発現を誘導した結果、シクロオキシゲナーゼ-2により産生されるprostaglandin E2/D2、トロンボキサン合成酵素によって産生されるthromboxane B2の生成が確認された。また、カルシウムイオノフォア刺激により、5-リポキシゲナーゼにより産生されるleukotriene B4の生成が確認された。これらのことから、成熟顆粒球へと分化させたHL-60に適切な刺激を行うことで、5-OH-thromboxane B2の産生に必要な酵素である5-リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼ-2、トロンボキサン合成酵素の三つの酵素を発現することが明らかとなり、成熟顆粒球へと分化させたHL-60がin vitroモデルとして使用可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、一重項酸素付加反応を用いて標品5-OH-thromboxane B2を作製することができた。またin vitro のモデルとして使用するヒト血液由来培養細胞の選定ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
刺激した分化ヒト血液由来培養細胞から5-OH-thromboxane B2の検出・定量を行う。合わせて5-OH-thromboxane B2の生理活性の評価を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
質量分析装置による分析に使用する標品の生理活性脂質などの納期が遅れ、次年度に納品となったため。また、それに伴う質量分析装置の使用が次年度になったため。
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Research Products
(2 results)