2023 Fiscal Year Annual Research Report
皮質脊髄路の神経回路機構解明のためのシングル核RNAシーケンシング
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22K20701
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
高田 裕生 沖縄科学技術大学院大学, 神経回路ユニット, ポストドクトラルスカラー (90952747)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | SnRNAseq / 皮質脊髄路ニューロン / 手指巧緻性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、霊長類特異的な手指の巧緻動作を可能にする皮質脊髄路ニューロンの特異性をRNAレベルで明らかにすることを目的に研究を行っている。手指の巧緻動作には皮質脊髄路ニューロンと脊髄の運動ニューロンが直接シナプスを形成する直接路が関与していることが知られている。また、皮質脊髄路ニューロンが形成する皮質脊髄路はげっ歯類と霊長類で異なっている。しかし、皮質脊髄路の構造や機能を制御する機構に関しては未だ不明な点が多い。そこで本研究では、皮質脊髄路ニューロンを同定し、細胞単位や核単位で解析が可能であるSnRNA-seqを用いて皮質脊髄路ニューロンの多様性や特徴を明らかにする。まず、それぞれの動物種の皮質脊髄路ニューロンを同定するために脊髄にウイルスベクターを注入し、脳内での発現を確認することにした。これまでに、霊長類(マカクザル)の脊髄にAAVを注入し、その後取り出した脳から核を単離した。そして、単離した核の数%からAAVによって導入されたGFPの発現を確認した。次にこれらの核のSnRNA-seqを先行研究の手順に従い実行した。しかし、先行研究はげっ歯類を用いて行われていたため、先行研究の方法をそのまま霊長類に適応させることができなかった。そこで令和4年度は、霊長類の脳サンプルを用いて条件検討を行い霊長類の脳に適した核の単離方法を確立した。そして、令和5年度は、実際にウイルスベクターを注入したマウスとマカクザルのSnRNA-seqを実施した。そして、解析を行いマカクザルとマウスの皮質脊髄路ニューロンで発現している遺伝子を同定した。
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