2022 Fiscal Year Research-status Report
光-電子相関顕微鏡観察のための3次元ターゲティング法の開発
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22K20741
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
吉村 安寿弥 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (90467340)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 光-電子相関顕微鏡法 / 電子顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
光・電子相関顕微鏡法では、蛍光顕微鏡観察で得られる分子情報を、電子顕微鏡観察で得られる形態情報に相関させることで目的構造の正確な定性・定量評価が可能となる。蛍光顕微鏡で観察した視野の形態情報を得るためには、光・電子観察で識別できるランドマークを設け、3次元的な試料中で目的領域を探し出す必要がある。本研究は、様々な試料の樹脂包埋試料の連続超薄切片法に適用でき、誰にでも実行可能で効率的な3 次元ターゲティング手法の開発を目的とする。 現在までに第一段階として蛍光標識を含むテスト試料を作製し、以下の2点を実施した。1)赤色の蛍光標識をテストとして選択し、最適な標識のサイズを検討した。これまでに、目標とする樹脂切片厚の少なくとも4倍以上の標識構造をランドマークとして使用することが画像処理に有効であることが分かった。2)樹脂包埋・薄切前後の試料の光学顕微鏡画像の3次元相関を行うための方法を検討した。主に連続超薄切片の光学顕微鏡画像から切片全体を含む3次元スタックを作成するためのワークフローについて、画像処理による切片画像のスタック作成、アライメントを行った。現段階のアライメント精度はオルガネラレベルの3次元相関のためには不十分であるが、領域の特定には十分であった。計画段階ではターゲティング用の蛍光標識から座標情報を得ることを目指していたが、異なる調整段階の試料で座標情報を正確に決定することは容易ではなかった。そこで目的領域を含む超薄切片を迅速に特定することを第一目標として開発を進める。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テスト試料を用いた試料作製方法、光学顕微鏡による3次元データ取得方法、データ処理についてそれぞれの大まかなフローが決定したが、申請時の研究計画の第一段階を完了するには、各段階の3次元データ相関を含めた一連のターゲティングワークフローとして完成させる必要があるため。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間内に、本研究の第一段階として計画したテスト試料を用いたターゲティングワークフローの完成を実現する。生物試料として蛍光標識した目的構造を含む培養細胞を使用し、ターゲティングの精度や所要時間を評価する。また多様な目的に合わせて標識の選択が可能となるよう標識の種類を拡張する。
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Causes of Carryover |
使用する蛍光標識の種類を拡張すること、生物試料を含む試料作製のために必要な物品を整備することを計画していたが、次年度に実施することになったため。
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