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2022 Fiscal Year Research-status Report

本邦がんゲノムリアルワールドデータを用いたがんの人種・地域間差の解明

Research Project

Project/Area Number 22K20808
Research InstitutionNational Cancer Center Japan

Principal Investigator

斎藤 優樹  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 特任研究員 (40964755)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywordsがんゲノム / 遺伝子異常 / 人種・地域間差
Outline of Annual Research Achievements

がんは人種・地域によって発症頻度や病型が異なる。その一部は生活習慣・ウイルス罹患といった環境因子の違いが寄与しているが、一部は人種間の遺伝学的背景の違いに起因すると考えられている。これらの仮説の一部は日系移民の疫学研究などによって実証されている。しかし、この人種・地域間差はがん遺伝学的に十分に検討されていない。そこで、本研究は、「がんの発症頻度や病型・予後がなぜ人種・地域間で異なるのか」という問いへのがん遺伝学的アプローチを試みる。

研究代表者は、がんゲノム情報管理センター(C-CAT)に含まれる本邦データを収集・解析し、これを海外データと比較した。その結果、日本人固有のがんゲノム異常プロファイルの同定を行い、「人種横断的」な異常と「人種特異的」な異常を同定することに成功している。海外データとの比較解析において、4がん種-がん関連遺伝子の組み合わせが本邦に少ない一方で、15がん種-がん関連遺伝子の組み合わせは本邦に多いことが明らかになった。興味深いことに、本邦に多い15がん種-がん関連遺伝子の組み合わせのうち、10の組み合わせは同一のがん関連遺伝子によるものであった。このように、研究代表者は、一部のがん関連遺伝子の変異数が、がん種を超えて、本邦に多いという特徴を見出している。また、これらの違いは特定の種類の異常(置換・挿入欠失など)や特定のコドン部位の変異(ホットスポット変異など)によるものではないことを明らかにした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の予定通り、海外データとの比較による日本人固有のがんゲノム異常プロファイリングの同定に成功しており、概ね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

C-CATデータには詳細な予後や治療歴情報が含まれる。胃癌などの一部がん種は遺伝子異常により分子分類が決定され、これが予後を規定すると報告されているため、C-CATデータを用いて「特定の遺伝子異常の有無」や「遺伝子異常に基づく分子分類」が予後に与える影響を評価する。これを(欧米からの)既報と比較する事で、遺伝子異常が予後に与える影響が本邦と欧米で同じであるかを明らかにする。さらに、C-CATには詳細な治療データ(無増悪生存期間・最良効果判定・Grade3以上の有害事象など)が含まれるという他にない特徴を有しているため、この利点を活かし、遺伝子異常の有無および分子分類が、各治療レジメンの奏効や有害事象と相関するかを評価し、治療との関連を明らかにする。

Causes of Carryover

本研究を実施するにあたり、解析用ソフトウェア購入費用、ハードディスクやUSBメモリーなどの記録メディア代、トナー代、スーパーコンピューター使用料金等が必要であるため、次年度使用額が必要である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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