2023 Fiscal Year Annual Research Report
ウェアラブル端末による小児AYA世代がん患者のメンタルヘルス向上のための探索的研究
Project/Area Number |
22K20829
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
小宅 桃子 大分大学, 医学部, 病院特任助教 (40965000)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 小児がん / 精神症状 / ウェアラブルデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究の目的】小児・AYA世代がん患者ではメンタル不調をきたしやすい。また、小児がん治療に不可欠なステロイドは、不眠や抑うつ、興奮などのステロイド精神病を起こすことが知られており、患児のQOLは大きく低下する。精神症状の評価として、現在、質問紙表による評価が行われている。しかし、主観的な評価であり、より客観的な指標を探索したいと考えており、簡便に使用可能なウェアラブルデバイスによりHRVを評価したい。 【研究実施計画】ウェアラブルデバイス(スマートウォッチ)を14日間入院中の患児に着用してもらい、HRVを測定し、質問紙表(バールソン児童用抑うつ性尺度、アテネ不眠尺度、子供の強さと困難さの質問票)の点数との比較検討を行う。同時に、SpO2、呼吸数、歩数、体表温度、睡眠時間、睡眠ステージのデータを収集した。 【研究成果】入院中の患児に安全にスマートウォッチを装着できること、確実にデータの収集が行えること、アンケートや尿採取が患児、保護者、医療従事者の負担にならないことが確認できた。 現在、得られたデータの解析中であるが、HRVの指標のうち、低周波数成分(LF)、高周波数成分(HF)とその比(LF/HF)は、化学療法開始後1-2日目ごろより上昇し、その後低下することがわかった。これらの値の中央値は、ホルター心電図などから得られた若年成人の基準値と比較すると、化学療法1-2日目ごろが基準値から逸脱することがわかった。今後はさらに詳細な解析を行っていく。
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