2022 Fiscal Year Research-status Report
Detecting Coronary Artery Disease by Analyzing Fundus Images Using Deep Learning
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22K20875
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
多田 篤司 北海道大学, 大学病院, 助教 (10962904)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 冠動脈疾患 / 深層学習 / 眼底検査 / 網膜血管面積 / 冠動脈造影検査 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
無散瞳眼底カメラによる眼底検査では、非侵襲的に網膜血管を観察することが可能である。網膜血管の動脈硬化所見は、全身の動脈硬化を反映するため、心血管疾患の評価に有用と考えられる。しかしながら、従来の網膜血管の評価法は主観的であり、網膜血管を定量的に評価することは困難であった。申請者らは深層学習を用いて、眼底画像から網膜血管を自動抽出する手法を確立した。さらに、客観的かつ定量的な網膜血管面積の自動解析手法を開発した。これまでに、網膜血管面積が動脈硬化の程度と相関することを示したが、冠動脈疾患の有無や重症度の予測において網膜血管面積が有用であるかは不明であった。 本研究は、冠動脈疾患が疑われる患者において、網膜血管面積と冠動脈疾患の有無や重症度との相関を明らかにすることを目的とする。それにより、眼底検査を用いた冠動脈疾患の評価が可能となり、冠動脈疾患の新たなスクリーニングシステムの開発につながることが期待される。以下に具体的な研究方法・研究内容を示す。 眼底画像から自動解析手法を用いて計測した網膜血管面積と冠動脈造影検査で評価項目(①冠動脈病変の有無、②冠動脈病変の重症度)との相関を検討する。眼底検査には、無散瞳眼底カメラを用いて撮像し、自動解析手法を用いて網膜血管面積を計測する。また、冠動脈造影検査を行い、①冠動脈病変の有無は、冠動脈有意狭窄の有無、②冠動脈病変の重症度は、冠動脈の重症度スコア(GENSINIスコア、SYNTAXスコア)を計算することで評価する。 2022年度の研究の状況として、すでに当研究施設において本研究の自主臨床研究事務局の承認が得られていたため、症例登録を継続していった。現状の登録症例数(約150例、2023年2月時点)における解析では、当初の200例の症例登録が統計学的に必要と判断したため、今後も症例の蓄積をすすめ、結果解析を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当研究施設の自主臨床研究倫理委員会による研究承認が得られていたため、速やかに症例登録を開始できた。予定している症例登録数200例に対して、2023年2月時点で150例程度の症例登録が完了している。その後も定期的に症例登録が行われており、初期解析も開始できていることから、本研究はおおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も引き続き計画に沿って研究を遂行し、症例登録ならびに解析を継続し、その成果を積極的に専門学術誌に発表する予定である。
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Causes of Carryover |
今回、20,270円の次年度使用額が生じたが、少額でもあり予定していた使用額の変更などによる誤差と考えている。 今回の次年度使用額に関しては、次年度における研究成果発表や情報収集のための学会参加を予定しており、その参加費・旅費として使用する。また、研究成果の解析のために統計ソフトの購入を予定している。さらに、本研究結果を発信するために今後海外国際専門学術誌に投稿を予定としている。論文投稿にあたり英文校閲費・論文投稿費として使用する。
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