2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K20932
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
岡村 千絵子 関西医科大学, 附属光免疫医学研究所, 助教 (20621551)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | ワクチン開発 / インフルエンザウィルス / 自己反応性 |
Outline of Annual Research Achievements |
自己抗原に似ている標的抗原に対する抗体産出は自己免疫寛容によって抑制されやすい。抗原特異性を担保しつつ、自己反応性が低減した抗体産出を誘導するワクチン開発が本研究の目的である。免疫寛容を打破して抗インフルエンザウィルス広域中和抗体が産出される際に現れる抗原特異的なB細胞レパトアについて、自己反応性と中和活性を調べ、低い自己反応性かつ高い中和活性を示すBCRレパトアを誘導できるのは、どのような免疫原(抗原とキャリアタンパク質、アジュバント)なのか明らかにすることを計画している。 2022年度は抗原であるペプチドとキャリアタンパク質の化学的なコンジュゲーションの条件検討を行い、信頼性及び再現性の高い免疫原を調整した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度、前職から転出し、新しい研究所開所に伴う工事等で、予定していた研究を進めることはできなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
信頼性及び再現性の高い免疫原を野生型マウスに皮内投与し、投与部位に活性型ビタミンD3軟膏を塗布する。1週間後、所属リンパ節から、抗原ペプチドをプローブに抗原特異的胚中心B細胞を単離し、次世代シーケンサーによってシングルセルレパトア解析を行う。抗原投与から1ヶ月後には、脾臓から抗原特異的記憶B細胞、骨髄から長期生存抗体産生細胞について同様の解析を行う。胚中心B細胞レパトアと記憶B細胞レパトアを比較により、どのようなB細胞集団がどれくらい記憶B細胞、抗体産生細胞へ分化しているのか明らかにする。H鎖とL鎖の定常領域のカセットを持つ発現ベクターに、H鎖L鎖の可変領域の配列をクローニングし、ひとつの発現プラスミドから組換え抗体を発現する。この発現プラスミドを96 wellフォーマットで培養細胞へ導入し、抗体発現を行う。
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Causes of Carryover |
2022年度、前職から転出し、新しい研究所開所に伴う工事等で予定していた研究を進めることはできなかった。そのため、物品購入が予定より遅れた。実験機器や試薬保存庫等の研究環境が整い、遅れていた物品は2022年度に予定していたものも含めて次年度に購入を進めていく。また、次年度は学会発表も予定しており旅費についても使用する。
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