2022 Fiscal Year Research-status Report
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22K20990
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松本 修治 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (90965279)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ管 / 歯周組織修復 / VEGF-C |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、これまでにリンパ管蛍光レポーターマウスと組織透明化技術を応用することにより明らかとしてきた歯周組織リンパ管の解析を進め、歯周組織修復過程におけるリンパ管機能を解明することを目的としています。このために(1)リンパ管新生を促進するマウスモデルや遺伝子改変によりリンパ管特異的な細胞死を引きおこすマウスを用いたin vivo解析、(2)独自に単離培養に成功している歯肉由来リンパ管内皮細胞(歯肉LEC)を用いたin vitro解析の2つの解析を進めます。本年度は主に以下の検討を行いました。 (1)歯周組織リンパ管のin vivo解析:歯周組織にマイクロインジェクションにより薬剤を局所投与する方法を確立しました。リンパ管特異的蛍光レポーターマウス上顎両側の第二臼歯に7日間絹糸結紮を行った後、除去後の歯周組織にVEGF-Cの局所投与を行うことで、歯周組織修復時のリンパ管の動態を観察可能でした。さらにタモキシフェン投与によりCre発現細胞特異的にジフテリア菌毒素Aサブユニット(DTA)を発現させることができるProx1-CreER; R26-DTAマウスの作製を完了しました。 (2)歯肉LECのin vitro解析:まず歯肉LECがリンパ管内皮細胞マーカーであるLyve-1を発現するのみならず、三次元培養することで管状構造を示すことを確認しました。さらにVEGF-C刺激により培養歯肉LECがどのような挙動を示すかについてRNA-seqを用いて解析した結果、VEGF-Cがアポトーシス抵抗性に関与していることが示唆されました。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
必要なマウスの作製やマイクロインジェクションを用いた実験系の確立が計画通りに実施できました。また、培養歯肉由来リンパ管内皮細胞のRNA-seq解析もスムーズに達成できました。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通り、作製したProx1-CreER; R26-DTAマウスの組織学的解析およびライトシート顕微鏡を用いた三次元解析を進めます。培養歯肉由来リンパ管内皮細胞の解析については、VEGF-Cがどのようにアポトーシス抵抗性に関与するか、そのメカニズムの解析を行います。以上の解析により、歯周組織修復過程におけるリンパ管機能の解明を進めます。
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Causes of Carryover |
予定した実験がトラブルシューティングなしにスムーズに進んだことや、納入価格変更により若干の繰越金が発生しましたが、来年度の試薬代として活用する予定です。
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