2022 Fiscal Year Research-status Report
Poorly-contained欠損へのFGF-2コンビネーション療法の基盤構築
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22K21001
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
村上 侑 東京歯科大学, 歯学部, レジデント (00962135)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | poorly-contained欠損 / FGF-2 / DBBM / 歯周組織再生療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
塩基性線維芽細胞増殖因子 (FGF-2) は,歯周組織再生療法における成長因子として使用されている。また,脱タンパクウシ骨ミネラル (DBBM) は足場材として臨床応用されている。これまで我々の研究グループは,FGF-2とDBBMの併用による効果について,ラット3壁性様歯周組織欠損モデルを用いて検討を行ってきた。DBBMがFGF-2の担体としても機能することを示し,両者の併用は3壁性様骨欠損において歯周組織治癒を促すことを見出した。骨壁の裏打ちの無い,より重篤な骨欠損形態である“poorly-contained欠損”の歯周組織再生は臨床課題の1つである。診療ガイドライン等では poorly-contained欠損に対し,成長因子と足場材の併用療法が推奨されているものの,FGF-2とDBBMの併用による治癒の詳細は明らかになっていない。本研究は,ラットのpoorly-contained型歯周組織欠損モデルに対するFGF-2とDBBMの併用が歯周組織治癒に及ぼす効果と,そのメカニズムを明らかにすることである。 2022年度はラット上顎臼歯近心に歯周組織欠損モデルを作製し,組織切片作製を中心に行った。H-E染色において,術後2週のFGF-2およびFGF-2+DBBM群はUnfilled,DBBM群と比較し,より顕著に新生骨様構造が認められた。また,micro-CTによる骨梁構造解析において,FGF-2+DBBM群の骨体積率はUnfilled群と比較し,有意に高い値を示した。以上の結果より,FGF-2+DBBM群において,DBBMが足場およびFGF-2の担体として機能し,新生骨形成を促進することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
PCR array,qRT-PCRの手技獲得を中心に行っていたため,時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在in vivoの組織サンプルは着実に増やしており,今後は免疫組織化学染色を中心に行っていく。in vitroではPCR arrayの結果をもとにqRT-PCRにて更なる骨形成関連遺伝子発現解析を行っていく。また,ラット骨髄由来間葉系幹細胞 における血管新生能の解析として細胞のVEGF発現を共焦点レーザー顕微鏡にて評価する。さらに,血管新生関連遺伝子をqRT-PCRにて定量解析を行う。
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Causes of Carryover |
3月納品の物品が4月会計であったため。
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