2022 Fiscal Year Research-status Report
miR-125bが担う骨代謝機能の解析と矯正歯科治療への応用の可能性
Project/Area Number |
22K21040
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小笠原 伯宏 広島大学, 病院(歯), 歯科診療医 (20964125)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | マイクロRNA / miR-1254b / 骨代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、骨芽細胞が分泌する基質小胞中に含まれ、破骨細胞の分化を抑制する一方で、内在性に間葉系細胞や骨髄ストローマの骨芽細胞分化を抑制するといった、多様な機能を持つと推定されるmiR-125bの骨における生理的意義を明らかにすることである。miR-125bは2つの遺伝子座に由来するが、我々の先行研究では、上記機能はMir125b-1遺伝子が関与するもものの、同遺伝子のノックアウトマウスは胎生致死であった。当該年度では研究実施計画に基づき、まず骨芽細胞特異的miR-125b-1欠損マウス(miR-125b-1fl/fl;Col1a1-Cre/mice )の作製を開始することとした。作製するにあたり、miR-125b-1領域の前後をloxPで挟んだ遺伝子を持つmiR-125b-1fl/flマウスと、骨芽細胞特異的にCreリコンビナーゼを発現するCol1a1-Creマウスを用意する必要がある。これまでのところ、miR-125b-1fl/+マウス同士の交配からmiR-125b-1fl/flマウスを得た。一方、Col1a1-Creマウスとの交配から個体が得られておらず、骨芽細胞特異的miR-125b-1欠損マウスの解析を開始するに至っていない。交配開始後に一向に妊娠兆候がみられず、個体の組み合わせを変更してもその状況が変わらなかったことから、新たなCol1a1-Creマウスが必要と考えられた。同マウスの凍結受精卵を所有していたことから、凍結受精卵から新規の個体を得ることとし、現在受精卵移植を行なっている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
miR-125b-1fl/fl;Col1a1-Cre/miceを作製するため、miR-125b-1fl/flマウスと、miR-125b-1fl/+;Col1a1-Cre/miceを準備する予定であるが、miR-125b-1fl/+マウスとCol1a1-Creマウスの交配は妊娠兆候がみられず、個体の組み合わせを変更してもその状況が変わらなかった。現在飼育しているCol1a1-Creマウスの個体そのものに問題があると推測し、凍結受精卵から新たなCol1a1-Creマウスを得ることとした。上記のように実験1で作製する予定であったマウスがまだ作製できておらず、実験2以降の実験が行えていないために上記区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
遅れを取り戻すためにもマウスの飼育ケージ数を増加させ、交配数を増やす事で実験1で作製する個体を早期に入手できるように取り組む必要があると考えている。合わせて、実験2及び3を並行して進行していく予定である。
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Causes of Carryover |
交配を行なって作製する予定であったマウスがまだ作製できておらず、飼育数が想定していたよりも増えなかったことから次年度使用額が生じた。今後、研究の推進方策に沿ってマウスの繁殖計画を修正し、実験の遅れを取り戻す過程でマウスの飼育数が増えることで使用していくことを計画している。
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