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2022 Fiscal Year Research-status Report

全身麻酔薬を用いた意識ネットワークの解明

Research Project

Project/Area Number 22K21063
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

宮部 梨紗子  広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (50609774)

Project Period (FY) 2022-08-31 – 2024-03-31
Keywords中枢神経回路
Outline of Annual Research Achievements

全身麻酔薬は不可逆的に意識を消失させる薬物であり、世界中で広く使用されているにもかかわらず、その詳細な作用機序は不明な点が多い。近年の臨床研究や基礎研究から、複数の脳領域に複合的に作用することで、全身麻酔薬がその作用を発揮していることが明らかとなってきている。また、島皮質と線条体の間に位置する前障が、睡眠時に大脳皮質で確認される徐波の生成に大きく関与することが明らかとなっている。この徐波は、全身麻酔薬投与によっても皮質で確認できることが様々な研究で明らかになっている。麻酔と睡眠には共有する神経回路がいくつか存在しているため、前障が麻酔薬による意識消失に大きく関わっている可能性が考えられる。
本研究では、前障と神経回路を形成すると考えられている複数の脳領域に電極を刺入し、全身麻酔薬投与による意識の消失時、および回復時における神経活動の変化を、局所フィールド電位の変化として記録し、経時変化を周波数帯解析などを用い解析する。
脳波記録を用いた臨床研究において意識の有無で神経活動が変化する領域のひとつに前頭野が挙げられる。また、ヒトの前頭野に相当するラット前頭前皮質は、前障と相互投射していることが近年明らかになった。さらび、作用機序の異なる数種類の全身麻酔薬によって、前頭前皮質における低周波数帯の神経活動が増加することが明らかとなっているため、神経活動の経時的変化を記録解析を中心にスペクトラム解析を行っている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

実験場所や機器の確保に遅れが生じたため、研究遂行が全体的に遅れている。
さらに、麻酔投与経路確保の手術を外注する予定だったが、予算作成時より大きく値上がりしたため、自身での作成に計画を変更した。その結果、さらなる予備実験が追加された。

Strategy for Future Research Activity

計画より遅れている分、使用する全身麻酔薬の種類を当初の4種類から減らし、より作用機序の近いと予想されるプロポフォールとイソフルランを中心に研究遂行を行っていく。

Causes of Carryover

予定していた進度で研究遂行ができなかったため、学会参加のために計上していた旅費を使用しなかったためその分の予算を来年度に繰り越す。
2023年度は、昨年度に遅れた分の実験遂行に繰り越した予算を使用する予定である。

URL: 

Published: 2023-12-25  

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