2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of novel 3D-printable resin with mechanical compatibility for denture
Project/Area Number |
22K21068
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
畑 賢太郎 九州歯科大学, 歯学部, 特別研修員 (20966650)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 3Dプリント / 義歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
光硬化型3Dプリント(液槽光重合法)は、造形精度が高く、造形できる形状の自由度も高いことから、歯科補綴装置の作製方法に広く使用されている。一方、光硬化型3Dプリントで造形できる材料の選択肢が少ないという欠点がある。特に、義歯床や義歯人工歯用の素材は選択肢がほとんどない。市販の人工歯と床用のレジンは、色調の違いはあるものの、ほとんどはアクリル系レジンである。アクリル系レジンは、力学的性質と物理化学的性質が高くなく、義歯人工歯に使用するには不十分である。そこで本研究では、義歯用材料への応用を目的とし、物理化学的性質と力学的性質に優れた新規3Dプリント素材を開発することを目的とする。昨年は、シラン処理したシリカフィラーを、ウレタンジメタクリレート(UDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、および光重合開始剤混合したレジンモノマーに添加し、新規3Dプリントレジンを調製した。本年度は、この新規3Dプリントレジンの物理化学的性質およびレジンセメントに対する接着性の評価を行った。物理化学的性質は、水中浸漬による材料の溶解量と吸水量にて調べた。新規3Dプリントレジンの溶解量は、フィラー添加量の増加とともに減少し、60wt%添加した試料は、市販のCAD/CAM用コンポジットレジンよりも低かった。同様に、新規3Dプリントレジンの吸水量もフィラー添加量の増加とともに減少した。レジンセメントに対する接着性を調べたところ、新規3Dプリントレジンの剪断接着強さは、シラン処理の有無に関わらず市販のCAD/CAM用コンポジットレジンよりも大きかった。これらの結果より、新規3Dプリントレジンは、市販のCAD/CAM用コンポジットレジンと同等以上の物理化学的性質と優れた接着性をもつことが示唆された。
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