2022 Fiscal Year Research-status Report
新型コロナウイルス感染症のアウトカムと医療資源の地域差に関する研究
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22K21103
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
三村 亘 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター, 上級研究員 (80895483)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | COVID-19 / ワクチン / 医療資源 / 地域格差 |
Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)に関連する医療資源(ワクチン、COVID-19検査、治療)に加え、COVID-19に関連するアウトカムが個人の属するグループ(地域、施設、社会経済的因子)の違いによって格差がどの程度存在するのか,また,その格差の要因を明らかにすることを目的としている。初年度では65歳以上の高齢者コホートを作成した。高齢者に対する接種は2021年4月12日より開始されたが、自治体によってワクチン接種開始のタイミングやワクチンの配分の問題で優先的に接種される集団が異なっていた。ワクチン接種開始の早期における初回ワクチン接種率は自治体間での差が確認された。一方で、接種開始より半年ほど経過すると累積初回接種率はいずれの自治体においても上昇し、100%近くへ到達するため自治体間の明確な差はみられなかった。年齢、性別や基礎疾患を固定効果、自治体を変量効果としたマルチレベルロジスティック回帰モデルによる検討を行った結果、早期の初回接種には女性、高年齢、認知症等の基礎疾患が関連していることが示唆された。またMedian odds ratioにより、自治体間で同じ背景を持つものを接種率が高い自治体と低い自治体間で比較するとそのオッズは2倍近く高いことが確認できた。しかし、本年度は評価対象とする自治体が少なく自治体数を増やして検討する必要があると考えられた。今後追加で提供いただける自治体も解析対象とし、再評価を行い学会発表及び論文化を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一部自治体においてデータ利用制限が発生し、当初の予定していた評価が一部困難となったため進捗に遅れが発生した。
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Strategy for Future Research Activity |
新たな自治体を解析対象に加えたうえで、再度高齢者コホートを作成し、データ分析、結果の評価を行う。また、感染者を対象としたコホートを作成し、ワクチンの接種状況を考慮した際の医療資源の利用状況に関する検討を行い、その地域差を明らかにする。検討した結果は,学会発表および学術論文としてまとめ,国際学術誌に投稿する。
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Causes of Carryover |
オンラインでの学会参加への切り替え及び謝金対応予定の業務を自ら対応したため。繰り越し分については今年度以降の人件費や学会発表で使用予定である。
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