2022 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症に対する運動療法から迫るマクロファージを介した軟骨保護作用の解明
Project/Area Number |
22K21209
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
岡 優一郎 埼玉県立大学, 大学院保健医療福祉学研究科, 研究員 (10965354)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性膝関節症 / トレッドミル運動 / 運動療法 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
変形性関節症は関節軟骨変性が主病変であるが、関節軟骨は無神経・無血管であるため、一度損傷すると元の状態に戻らない不可逆的組織である。そのため、いかに状態を悪化させないかに治療の焦点が当てられてきた。トレッドミル運動は軟骨変性を遅延させると報告されているが、その要因については十分に理解されていない。本研究計画では、変形性関節症に対する運動療法がM2マクロファージを介して軟骨保護に作用するメカニズムを解明することを目的とする。これまで我々は変形性関節症モデルマウスに対してトレッドミル運動を実施すると、軟骨変性の抑制と同時に関節内の炎症抑制に貢献するM2マクロファージが増加することを確認した。他分野の研究において、M2マクロファージが組織修復に関与するといった報告から、変形性関節症の軟骨保護についても炎症状態の調節だけでなく、M2マクロファージからの液性因子が直接的に軟骨保護に貢献すると仮説を立てた。そこで本研究計画では、関節内のM2マクロファージを特異的阻害薬によって減少させた状態で運動を行い、軟骨保護作用の阻害効果を確認し、M2マクロファージの必要性を確認する。その後M2マクロファージと軟骨細胞の培養実験から軟骨保護に関与するシグナルを解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度計画していた、in vivoでの介入は完了しており、現在解析中である。また、in vitroでの実験を遂行するための準備もお概ね計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では初年度で実施した研究をまとめるとともに、in vitroでの実験を本格的に開始する。遺伝子解析などのツールを用いて軟骨細胞とマクロファージの相互作用を解明する。
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Causes of Carryover |
初年度で投稿を予定していた雑誌の採択に時間を要してしまい、初年度中の精算が完了出来なかったため。
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