2022 Fiscal Year Research-status Report
就労時の妊婦の身体的負荷を軽減するサポート衣服に関する研究
Project/Area Number |
22K21214
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Research Institution | Wayo Women's University |
Principal Investigator |
田中 あゆみ 和洋女子大学, 家政学部, 助手 (80784157)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | 妊婦 / マタニティウエア / 衣服設計 / 三次元人体計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
共働き世帯数の増加する中、妊娠・出産後も就労を継続する割合は増加傾向にある。妊婦には著しい体型変化による身体的負荷がかかっており、就労継続のためにはサポートが必要である。本研究は、(1)妊娠中に身体的負荷がかかると感じる動作の特定、(2)身体的負荷のかかる動作時の身体寸法の変化量の計測、(3)身体的負荷のかかる動作時の動きの変化量の計測を行い、妊娠期の就労女性にかかる身体的負荷を軽減するマタニティウエアの設計に役立てることを目的とする。 本年度は、3つの研究課題のうち研究1と研究2を行った。研究1では、保育園・幼稚園に通う保護者を対象にアンケート調査を行った。妊娠中期と妊娠後期それぞれの時期の身体的負荷のかかる動作、妊娠中の衣服選択について150名から回答を得た。質問項目は、属性(年齢、子どもの人数、出産時の年齢)、妊娠前の体型、妊娠中の就労状況、妊娠中の体型、妊娠中のマイナートラブル、妊娠時に困難と感じた動作、妊娠中の衣服である。その結果、妊婦は同じ動作であっても妊娠中期よりも妊娠後期により身体的負荷を感じやすく、特に前かがみやしゃがむといった腹部に脚部を近付ける動作により困難と感じていたことが示唆された。衣服選択については、妊娠期間を通してマタニティ用でないアイテムを着用することが多く、マタニティ用アイテムはズボンとワンピースが選ばれる傾向にあった。マタニティウエアの中でもズボンとワンピースの需要が高いことが示唆された。研究2では、アンケート調査の結果から4つの動作課題を設定し、妊婦を対象に三次元人体計測を開始した。今後は、計測データから妊娠経過による動作時の身体寸法の変化量を検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度中に計画していた研究1を遂行し、学会での発表を行った。研究2も予定通り開始しているが、被験者人数が募集人数に満たなかったため次年度も継続して被験者の募集を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の成果を学術雑誌に投稿する予定である。令和5年度は計画通り、研究2、研究3を遂行する予定である。研究2では、同一被験者の各妊娠期に計3回の三次元人体計測を行っているため、時間を要している。動作を行った静止時のデータから、腹囲を中心とした寸法の変化量の検討に取り組む。研究3では、各妊娠期の動きの特徴を捉えるために三次元動作解析を用いる。動作時のデータから衣服に必要なゆとり量と負荷のかかる要因の検討に取り組む予定である。
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Causes of Carryover |
当初、本年度中に三次元人体計測の被験者の募集を完了する予定としていた。しかし、募集人数に至らず、次年度も引き続き被験者募集を行うこととした。繰り越した額は、研究遂行に必要な物品の購入と計測謝礼に使用する予定である。
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