2023 Fiscal Year Annual Research Report
アンチエイジング製品開発を目指したin vitro光老化リンパ管モデルの確立
Project/Area Number |
22K21217
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
奥山 勝揮 東京薬科大学, 薬学部, 助教 (20967799)
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Project Period (FY) |
2022-08-31 – 2024-03-31
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Keywords | リンパ管 / 細胞外マトリックス / 光老化 / 細胞接着因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
紫外線の長期曝露は、皮膚のしわ・たるみ形成を兆候とする光老化を促進させる。また、紫外線の曝露は、真皮中のⅠ型コラーゲンを分解・化学修飾する。同様に、真皮に存在するリンパ管は、近年光老化と密接に関連することが報告されている。しかし、紫外線照射により分解・変性したコラーゲンがリンパ管形成に与える影響については明らかとなっていない。本研究は、紫外線照射コラーゲンを用いて、in vitro光老化リンパ管形成モデルの作製および光老化生理的条件下におけるリンパ管形成機構を明らかにすることを目的した。 Ⅰ型コラーゲンに対して、UVB(0-300 J/cm2)のエネルギー量によって照射し、紫外線照射コラーゲンを作製した。SDS-PAGE電気泳動により、紫外線照射コラーゲンにおいて、コラーゲンの断片化が促進された。また、2,4-ジニトロフェニルヒドラジン (DNPH) を用いた比色法によりコラーゲンのカルボニル化が促進された。 次に、紫外線照射コラーゲンを用いてリンパ管内皮細胞における機能変化を検討した。はじめに、Collagen sandwich modelを応用してリンパ管の管腔形成評価を行った (in vitro光老化リンパ管形成モデル)。その結果、紫外線照射コラーゲンを添加したリンパ管内皮細胞では、未照射コラーゲン添加群と比べて、管腔形成の遅延が観察された。また、紫外線照射コラーゲンコート上のリンパ管内皮細胞において細胞遊走が抑制された。すなわち、紫外線によって変性したコラーゲンは、リンパ管内皮細胞の足場形成を抑制させた。 さらに、紫外線照射コラーゲン中で培養したリンパ管内皮細胞では、細胞接着因子であるβ1-インテグリンのタンパク質産生が抑制されることが示唆された。 したがって、紫外線照射コラーゲンによるリンパ管形成作用の低下にはβ1-インテグリンの産生低下に起因する可能性が考えられた。
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