2023 Fiscal Year Annual Research Report
Blood platelets: a key regulator of immune cross-talk of embryo with uterus toward cow pregnancy
Project/Area Number |
22KF0017
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
宮本 明夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10192767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Yousef Mohamed Samy 帯広畜産大学, 畜産学部, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 血小板 / INFT / 子宮 / 妊娠認識 / 免疫クロストーク |
Outline of Annual Research Achievements |
ウシ受精卵移植後の受胎性向上を目的に、初めて「血小板」を体系的に検証した。血小板は“核を持たない”が、機能する細胞内小器官と膜上レセプターを持つ。@新仮説:「血小板は初期胚ー子宮の免疫増幅因子であり、妊娠に向けた免疫寛容化を強める」
1.生体モデル:ウシ妊娠成立への血小板関与の検証を予定していたが、血小板遺伝子解析に掛かる免疫細胞からの単離法(純度)が100%までは改善できず、2%以下の少数の他の免疫細胞を除くことが困難であった。PCR解析の増幅原理から、本モデルでの詳細な分子レベルの解析を断念した。
2.培養モデル:子宮の初期胚センシングに始まる血小板を含む免疫細胞間の増幅メカニズムを検証した。①健康なウシ子宮の灌流液から得た細胞群について血小板の特異的マーカーCD41を指標として血管外での血小板の存在を同定した。次に、4頭の経産乳牛の末梢血から単離した血小板を低濃度のIFNTで培養刺激し、その培養上清で、子宮上皮細胞を刺激し、さらに、同様の培養上清で好中球を培養して、それぞれの形質の変化を詳細に調べた。その結果、IFNTで刺激された血小板の培養上清は、子宮上皮及び好中球の主要な抗炎症性サイトカインであるTGFB発現を増加させ、一方、炎症性サイトカインであるTNFA,IL1Bを抑制した。同時に、この培養上清は、好中球のリポキシンA4(LAX4:抗炎症性媒介分子)産生を大きく増加させた。したがって、血小板が抗炎症効果の誘導を通じて子宮上皮および好中球とコミュニケーションする能力が明らかとなった。さらに、血小板は IFNTシグナル伝達の仲介分子の1つとしてウシの母体の初期妊娠認識に関与する可能性が示された。
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