2023 Fiscal Year Research-status Report
Exploring marine bioactive compounds for the drug treatment of animal and human babesiosis
Project/Area Number |
22KF0019
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
横山 直明 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (80301802)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GUSWANTO 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | バベシア病 / 治療薬 / 海洋生物 / インドネシア / 化合物ライブラリー / 試験管内培養 / スクリーニング評価系 / 原虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、インドネシア産海洋生物由来の生理活性物質ライブラリーから、動物やヒトのバベシア病に有効的で、低毒性で、かつ安価な治療薬を探索していくことである。具体的には、1)抗バベシア作用を有する海洋生物由来化合物のスクリーニング、2)ヒット化合物の選択性指標の決定、3)候補化合物のマウスを用いた毒性評価、4)マウス感染モデルを用いた抗バベシア病に対する治療薬効果の評価を行い、動物およびヒトのバベシア病に対する新規治療薬候補の学術的な提案を行う。 令和5年度では、インドネシア産海産大型藻類由来の5種類のメタノール抽出物に対して、牛バベシア(Babesia bovis、B. bigemina、およびB. divergens)、馬バベシア(B. caballi)、および馬タイレリア(Theileria equi)の試験管内培養における増殖阻害効果について評価を行った。その結果、抽出物Cがすべての原虫種に対して効果的な増殖抑制効果を示すことが判明した。抽出物C由来は抗バベシア薬として開発されるのに有望な生理活性物質を含んでいると考えられる。現在その物質の同定に向けて、抽出物Cの更なる分画と精製を行なっている。一方で、B. caballiおよびT. equiに対する合成化合物ライブラリーのハイスループットスクリーニングを可能とする評価系の確立にも成功した。その後、本評価系を用いて約9,000種を含む化合物ライブラリーに対するスクリーニング解析を実施し、T. equiに対する99のヒット化合物、およびB. caballiに対する115のヒット化合物を同定した。これらのヒット化合物のさらなる詳細解析を現在行なっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1)インドネシア産の各種海洋生物に含まれる生理活性物質のメタノール抽出を行い、標的原虫種(牛バベシア、馬バベシア、および馬タイレリア)の試験管内培養系を用いて有望な抽出物を見出したこと、また2)合成化合物ライブラリーからのハイスループットスクリーニングを可能とする評価系を確立し、バベシア薬として有望な多くのヒット化合物を発見したことから、本研究課題はおおむね順調に進捗していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度では、1)抽出物やヒット化合物の選択性指標の決定、2)抽出生理活性物質や候補化合物のマウスを用いた毒性評価、3)マウス感染モデルを用いた抗バベシア病に対する治療薬効果の評価を行い、動物およびヒトのバベシア病に対する新規治療薬候補の学術的な提案を行う。
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Causes of Carryover |
ハイスループットスクリーニング系の構築に向けた至適条件の検討に時間を要したため、次年度使用額(703,835円)が生じた。2024年度では、選択性指標の決定や動物実験の実施などのために、その次年度使用額を試薬消耗品(600,000円)とその他(103,835円)に分配し、使用することを計画している。
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