2023 Fiscal Year Research-status Report
Urban Nature-based Solutions: Scenario-based Spatial Assessment of Benefits and Equity Toward SDG11
Project/Area Number |
22KF0054
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森本 健弘 筑波大学, 生命環境系, 講師 (20282303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DERDOURI AHMED 筑波大学, 生命環境系, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | Nature-Based Solutions / Spatial Access Equity / Ecosystem Services / GIS / Remote Sensing / Urban Sustainability / Scenario-based Planning / SDG11 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度には、世界の8都市について、都市緑地(UGS)と、それが人口曝露と平等性に及ぼす影響の分析が大幅に進展した。これらの都市について、30年間(1990~2020年)にわたる4年間のLULCマップが抽出された。分析では、UGS(森林と草地)の変化を、他のLULCクラス(特に不浸透面)と比較して評価することに焦点を当てた。2つのデータセットを用いて、UGSへの人口暴露とその等質性を計算した。調査結果は研究論文としてまとめられ、Landscape and Urban Planning誌に投稿され、現在審査中である。 これらの結果を基に、2030年、2050年、2100年の4つのIPCC気候変動シナリオ(SSP-RCP)と過去と現在の傾向を考慮し、選択された都市における将来のUGSの傾向を探るためにシナリオ分析が行われている。研究成果は、3つの学会での口頭発表を通じて公表した。 日本地理情報システム学会(GISA)、アメリカ地球物理学連合(AGU)2023年秋季大会、アメリカ地理学会(AAG)2024年大会である。 包括的な文献レビューが進行中であり、当初のスコープ「NBS: trends, challenges, and opportunities」(自然ベースの課題解決:その傾向,課題,機会)は「Forecasting the Evolution of Urban Green Infrastructure」(都市のグリーンインフラの進化を予測する)に改良された。発見された論文数が多い(1,000本以上)ため、題目を「将来の空間モデリングアプローチとその応用に関するレビュー」とした。この集中レビュー論文の執筆段階は、2024年5月末までに完了する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究プロジェクトの現状は、いくつかの要因により若干遅れている。まず、対象となる8都市と各都市の4年分(計32枚)の正確な土地利用・土地被覆(LULC)マップを抽出するために、かなりの時間が費やされた。このプロセスにはGoogle Earth Engineを使った機械学習ベースの分類技術が使用されたが、これは時間のかかる作業であることが判明した。分類結果の精度を高くするためには、各都市と年ごとに十分な数の学習ポイントを手作業で集める必要があった。この綿密なアプローチには、当初の予想よりも多くの時間を要したが、その後の分析の基礎となる信頼性の高いLULCマップを得るためには極めて重要であった。 若干の遅れはあったものの、精度の高いLULCマップの抽出に成功したことで、プロジェクトの次の段階への道が開かれた。これらの地図が利用可能になったことで、シナリオに基づく将来シミュレーションの実施とさらなる分析に重点を移すことができる。LULCマップの品質確保に費やした時間は、今後の研究段階において、より有意義で確実な結果をもたらすと考えられる。 今後は、ワークフローを最適化し、リソースを効率的に配分することで、遅れを取り戻すべく努力する。質の高い研究成果を提供するという強いコミットメントは変わらず、シナリオに基づく将来シミュレーションや包括的な文献レビューの完了など、プロジェクトの後続段階に向けて活発な作業を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
残りのプロジェクト期間中、われわれは様々なチャネルを通じてこの研究を積極的に推進する予定である。千葉で開催されるJpGU2024とダブリンで開催される国際地理学会議(IGC)でも口頭発表を行い、プロジェクトの研究成果を紹介し、科学コミュニティーとの交流を深める予定である。 研究成果をさらに普及させるため、都市計画、環境科学、持続可能性の分野でインパクトのある査読付き学術誌に発表する計画である。さらに、ResearchGateやLinkedInのような専門家ネットワークや、Twitterのようなソーシャルメディア・プラットフォームで、最新情報、出版物、重要な発見を共有するつもりである。こうすることで、より多くの読者にリーチし、専門家や利害関係者との議論を促進することができる。 さらに、グーグルサイト(https://sites.google.com/view/ahmedderdouri/current-projects/ugs_nbs)上の研究者ウェブサイトにリンクしたプロジェクト専用のウェブサイトページを作成した。このページは、プロジェクトの最新情報、出版物、研究成果を、より広範な科学コミュニティや関係者と共有するための中心的なハブとして機能する。 研究計画に変更が生じた場合、あるいはプロジェクト期間中に問題が発生した場合、われわれは適切な対策を講じることで積極的に対処する。相互に連絡を取り合い、他の専門家とも協力して、予期せぬ課題に対応し、与えられた期間内にプロジェクトの目標達成をめざす。
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Causes of Carryover |
次年度使用額の主に生じた費目はその他であり、これは主に論文投稿にかかる掲載費・校閲費である。「現在までの進捗状況」の理由に記載したように,主な対象となる多くの土地利用・土地被覆(LULC)マップの抽出のためにかなりの時間が費やされたことで、その成果にもとづいた研究論文の投稿が遅れて審査中であり、掲載費を2023年度に支出しなかった。また包括的な文献レビューについて執筆が2023年度内に完了しなかったため、校閲費の支出に至らなかった。加えて、物品費・旅費が当初の予定より下回る額の支出となった。 2024年度の使用においては、次年度使用額と2024年度分として請求した助成金と合わせ、上記の審査中論文の掲載、文献レビュー論文投稿にかかわる校閲と掲載費用、ならびに計画した3本目以降の論文(シナリオに基づく将来シミュレーションの実施とさらなる分析の成果をまとめたもの)の執筆・校閲・投稿に支出する。それ以外では予定された国内・国際学会での口頭発表のための旅費を支出する。
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Research Products
(3 results)