2023 Fiscal Year Research-status Report
薬用天然物の新奇生合成マシナリーの探索と精密機能解析に関する研究
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22KF0121
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阿部 郁朗 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (40305496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
GAO YAOJIE 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | 生合成 / 酵素 / 抗生物質 / 補酵素 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は、抗がん化合物アルテミシジン生合成経路において、補酵素NAD+を基質として、骨格形成に関わる新奇PLP依存性酵素(SbzP)の同定に世界に先駆けて成功した(Nature 2021)。この特異な酵素ホモログ遺伝子は、グラム陰性、グラム陽性細菌に広く分布し、それぞれ二次代謝遺伝子とクラスターを形成する。本研究では、SbzPホモログ遺伝子クラスターの発現による新規生理活性化合物の取得、スルホンアミド転移、アミノアシル結合形成に関わるSbzI, SbzAのX線結晶構造解析に取り組む。さらにSbzPホモログ遺伝子クラスターから発掘した修飾酵素群と組み合わせて、SbzPの生成する新規NAD由来酵素反応生成物を修飾し、抗腫瘍活性を持つ新規薬用活性化合物を合成する。本研究により補酵素由来の新規天然物群生合成機構を明らかにし、その利用による新規創薬シード合成基盤を構築することを目的とした。
2023年度は、異種発現と生成物の単離構造決定に着手した。また、コア骨格の合成に関わるSbzP、アシル鎖の転移を担う酵素SbzA, SbzIの基質特異性を検証、さらに、その分子基盤を明らかにする目的で、タンパク立体構造解析に取り組んだ。その結果、シュードモナス由来SbzPホモログ酵素のクライオ電顕構造の取得に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コア骨格の合成に関わるSbzP、アシル鎖の転移を担う酵素SbzA, SbzIの基質特異性を検証、さらに、その分子基盤を明らかにする目的で、タンパク立体構造解析に取り組んだ。その結果、シュードモナス由来SbzPホモログ酵素のクライオ電顕構造の取得に成功した。研究は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度から引き続き、 酵素の結晶構造解析、異種発現、in vitro反応などによる新規活性物質の創出に取り組む。NADの修飾アナログ、NMNやNADPなど補酵素の基質を用いて、酵素反応を行い、非天然型化合物の創出を行う。得られた化合物について、ヒト細胞in vivoの活性評価は学術変革領域研究先端モデル動物支援プラットフォームの共同研究によって評価する。また、sirtuinサブタイプをクローニングし、市販のコスモバイオなどの活性試験キットを用いてそれぞれの活性阻害効果を検討する。
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Research Products
(1 results)