2021 Fiscal Year Annual Research Report
Modification of photocatalysts with poly(ionic liquid)s for enhancing water splitting activity
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21F41038
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
堂免 一成 信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 特別特任教授 (10155624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN KAIHONG 信州大学, 先鋭領域融合研究群先鋭材料研究所, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-09-28 – 2024-03-31
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Keywords | 光触媒 / 酸窒化物 / 水分解反応 / 水素生成 / 可視光 / 助触媒 / 表面修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
再生可能エネルギーを利用した大規模水素製造技術として、粉末光触媒による太陽光水分解反応が研究されている。水分解用光触媒の量子効率を向上させるには、光触媒材料の欠陥密度の低減と表面における逆反応の抑制が必要である。本研究では、可視光応答型非酸化物光触媒に対しイオン液体高分子を利用した親水性制御等の各種表面修飾を施し、高選択的かつ安定に水を分解可能な可視光応答型光触媒の開発を狙う。 2021年度はイオン性液体高分子等による表面修飾の効果を検討するのに資する光触媒を探索した。各種窒化物系光触媒の調製法を検討した結果、窒化時の出発原料を変更し、さらに適当な水素生成助触媒と酸素生成助触媒を共担持することで、可視光水分解反応に活性なSrTaO2Nを調製することに成功した。また、窒化時に酸素源を添加する、助触媒共担持の手順を変更する等の改良を加えることで水分解活性が向上することを見出した。調製したSrTaO2Nは少なくとも10時間程度安定に可視光照射下で水分解反応を駆動した。分析の結果、助触媒を共担持する工程で助触媒の構造や組成が想定した状態から変化していることが示唆されている。酸素源添加の効果の解明や助触媒の成分及び分散性の制御は今後検討を進める予定であるが、検討結果を光触媒合成や助触媒共担持の工程にフィードバックさせることで、さらなる活性の改善が見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イオン性液体等による表面修飾の効果を検討するのに資する可視光応答型光触媒材料としてSrTaO2Nを選定した。光触媒及び助触媒の調製法を検討することで可視光水分解反応に活性なSrTaO2N光触媒を合成することが可能になり、各種表面修飾剤の効果の検討に向けた準備は整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の検討結果を発展させ、SrTaO2Nの合成法や助触媒担持法の改良を継続して検討する。SrTaO2N光触媒の水分解活性を底上げすることで、各種表面修飾剤の効果がより明確になることが期待される。 並行して、イオン液体高分子による表面修飾をSrTaO2N光触媒に適用し、親水性、反応選択性、耐久性、及び電荷分離効率等の改善を検討する。触媒調製法や反応条件の検討を通じて、表面修飾剤を光触媒微粒子に効果的に複合化する手法の確立を目指す。複合化の効果が認められた場合には、イオン液体高分子の構造と機能の相関を明らかにするための実験・分析を行う。 有効性が見いだせない場合は電極系や光電極系の利用も検討する。これらの系は反応の起こりやすさを印加電圧によって制御可能であり、還元あるいは酸化反応のいずれか一方のみを計測できる。そのため、イオン液体高分子の複合化の効果を検証するのが容易になると期待される。また、表面修飾の概念を各種無機酸化物コーティング等に拡張し、水分解反応特性の改善に効果的な表面修飾剤の複合化手法を検討していく予定である。 研究成果は国内外の学会での発表や論文発表を通じて広く公開する。
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