2023 Fiscal Year Annual Research Report
鉄触媒を担持したナノダイヤモンドによるフェントン反応を利用した抗腫瘍製剤の開発
Project/Area Number |
22KF0181
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小松 直樹 京都大学, 人間・環境学研究科, 教授 (30253008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHEN XIAOXIAO 京都大学, 人間・環境学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 磁性酸化鉄 / ナノ粒子 / 温熱効果 / 癌 / 治療 / 光 / 光温熱療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度において、超磁性酸化鉄ナノ粒子(SPION)を PG で修飾した SPION-PG を合成し、癌増殖抑制作用を in vitro にて評価したが、特に優れた細胞増殖抑制効果は見られなかった。そのため、同じく in vitro にて光照射下や磁場中での温熱効果について検討を行ったところ、どちらも優れた効果が見られた。 2022年度では、まず、SPION-PG のより詳細な分析を行った。具体的には、ナノ粒子中の鉄分の定量や熱重量分析、電子顕微鏡分析、さら には、SQUID による磁性測定を行い、これまでに報告されてきたSPIONに比べ、より優れた磁場中での温熱効果を確認し、その原因を明らかにした。 最終年度である2023年度は担癌マウスを用いた in vivo において、腫瘍成長抑制効果について検討を行った。具体的には、京都大学環境安全保健機構放射線管理部門(RIセンター)にて、まず、マウス大腸癌細胞株CT26を移植したマウスを作成し、次に、 SPION-PG を尾静脈から導入一定時間後に光を照射し、光療法による癌の治療を試み、さらに、酸化鉄ナノ粒子の磁場中での発熱に基づく治療について、検討した。後者については、in vitro である水中では発熱が見られたものの、生体中においては、顕著な発熱が全く見られず、残念ながら、顕著な腫瘍成長抑制効果を確認するには至らなかった。これは、血液をはじめとする体液の粘性の高さに原因があると考えている。
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