2022 Fiscal Year Annual Research Report
Layered molecular two-dimensional materials based on metal-organic polyhedra
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22F22344
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
古川 修平 京都大学, 高等研究院, 教授 (90452276)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LOPEZ CABRELLES JAVIER 京都大学, 高等研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2022-11-16 – 2025-03-31
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Keywords | 金属錯体多面体 / 三角形 / 二次元材料 / 多孔性材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
グラフェンに代表される二次元材料は、その特異な構造状態に依存した物性を示すことから、非常に注目を集めている材料である。これまでの二次元材料は無機物を中心に合成されてきた一方で、有機分子を含んだ二次元材料に関する報告は未だ少ない。本研究では、平面型の金属錯体多面体(MOP)分子を合成し、分子間相互作用や配位結合によりその集合状態を制御することで、二次元にのみ配列した単分子層材料の創成を目指す。その課題は、(1)平面三角形、四角形MOPの合成、(2)二次元MOP集合体の合成と単分子層への剥離、(3) 分子性単分子層材料の特徴に依存した柔軟性挙動の発現である。分子性二次元単分子層材料は2021年初めて報告された全く新しい材料群であ り、デザイン・合成法を含め未だ系統的に研究されていない。 MOPを用いたアプローチによりその解明を進める。 初年度は、課題Aとして「平面性MOPの合成と集合体構造解析」を中心に研究を進めた。これまでに合成されているMOPは、八面体、立方八面体といった立体型の形状をしており等方的な構造を有している。そのため、二次元層材料へと展開が困難である。本課題では、MOPの 配位子設計を行い、より異方的な平面型、特に三角形型の構造を有するMOPの合成を行った 。実際に、酢酸ロジウムと三角形型になるようにデザインした配位子を用いて反応させたところ、単結晶を得た。単結晶X線構造解析により、狙った三角形型MOPが合成されたことを確認した。また、その三角形型分子が分子相互作用により2次元の集積構造を形成し、さらにその二次元構造が弱い相互作用により3次元にスタックしていることを確認した。ガス吸着測定から、三角形の中心に存在する空間にガスが吸着することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な合成条件検討の結果、当初の予定通り、新規の三角形が構造を有するロジウムを中心金属にもつ三角形MOPの合成に成功した。また強い分子間相互作用により二次元に集積していることを確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
今回合成した三角形MOPの結晶を用いて、様々な条件検討により単分子層の二次元材料へと剥離する手法を確立する。
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