2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KF0254
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
的崎 尚 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (80252782)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ODUORI SYLVANUS OKECHI 神戸大学, 医学研究科, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | がん微小環境 / がん免疫監視 / 抗腫瘍効果 / 抗体 / 好中球 / 自然免疫系細胞 / 樹状細胞 / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、自然免疫系細胞に発現する膜型分子SIRPαとそのリガンド分子である膜型分子CD47により形成される細胞間シグナルCD47-SIRPα系、並びにSIRPαのファミリー分子である膜型分子SIRPβ1に着目し、自然免疫系細胞によるがん免疫監視の制御機構を解明するとともに、自然免疫系細胞を標的とした新たながん治療法の開発の基礎的研究を試みた。 本年度は、SIRPβ1に関する解析から、特定のマウス由来がん細胞を皮下移植した腫瘍マウスモデルにおいてマウスSIRPβ1に対する特異的抗体が腫瘍の増殖を抑制する抗腫瘍効果を発揮する可能性を示唆する実験結果が得られた。さらに、in vitroにおいて、抗マウスSIRPβ1抗体が、骨髄から調整した好中球のがん細胞に対する細胞傷害活性を促進することを示す実験結果が得られた。 以上のことから、本研究期間全体を通じて、CD47-SIRPαシグナル系を阻害する抗SIRPα抗体を用いた解析により、がん微小環境においてCD47-SIRPαシグナル系がマクロファージによるTNFαを含む炎症性サイトカインの産生ならびに細胞伸展を抑制的に制御している可能性が高いと考えられた。また、SIRPβ1に関しては、本研究により新規に取得したマウスSIRPβ1特異抗体を用いた解析により、がん微小環境においてSIRPβ1はがん細胞に対する好中球の殺細胞作用を促進的に制御するシグナル分子として機能し、がん免疫監視を担うとともに、新たながんの治療標的分子として利用できる可能性が示唆された。
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[Presentation] Preclinical evaluation of macrophage-targeted immunotherapy in vivo using a humanized mouse model2023
Author(s)
Yasuyuki Saito, Tania Afroj, Rie Iida-Norita, Satomi Komori, Tomoko Takasi, Oduori Okechi, Takenori Kotani, Yu-ichiro Koma, Yoji Murata, Hiroshi Yokozaki, Takashi Matozaki
Organizer
第82回日本癌学会学術総会
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