2023 Fiscal Year Annual Research Report
都市景観計画のためのGISとAI技術を用いた複合評価システムの開発
Project/Area Number |
22KF0270
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西名 大作 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (60208197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIANG RUI 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 河川景観 / 複合評価システム / AI技術 / 領域抽出手法 / GIS / CG画像 / 心理評価実験 / 景観構成要素 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,景観形成の全体的な過程を把握するため,「都市計画→物理評価→心理評価」の一貫した関係を想定し,これを複合評価システムと定義して,その全容を明らかにすることを目的とする。 河川景観の総体的評価である「満足意識」を規定する「緑視性」「建設性」「開放性」「複雑性」の4因子のうち,前二者を左右する緑,建物の面積比については,河岸上に飛行させたドローンによる空中写真の三次元測量技術による解析結果にAI技術である領域抽出手法等を適用し,緑に関する詳細なGISデータを取得する方法論を概ね確立することで,得られるCG画像からの効率的な算出を可能とした。 また,後二者については,上述したGISデータを併せて,既存の都市空間指標を改良,改善した新たな都市空間指標について,太田川市内派川23地点の実際の河川景観を対象にその適用性を検討したが,より多様な河川景観に対する汎用性を検討する意図から,河岸上の緑の配置状況を変化させた8パターンと,建物の配置状況と重層関係を変化させた6パターンを組み合わせた48種類のCG画像を新たに作成し,心理評価実験を実施した。その結果,緑と建物の相互関係が心理評価に及ぼす影響を明らかにすると共に,新たな都市空間指標の適用性をCG画像についても検証し,さらなる改良を進めた。 一方,太田川市内派川の一つ,京橋川沿いの町丁目を対象として,学生被験者ではない河川沿いの一般居住者を対象とした意識調査を実施し,8000票を配布,1000票余りを回収し,最寄りの河川景観の評価を求めた。助成年度内には十分な解析の遂行は困難であったが,今後,これまでに取得した緑に関する詳細なGISデータに基づき,新たな都市空間指標,緑,建物の面積比を京橋川沿いに算出し,心理評価4因子,さらには満足意識を予測して,住民による結果との整合性を検討することを予定している。
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