2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on food factors preventing dementia pathogenesis
Project/Area Number |
21F21386
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 利郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (20238942)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENG LIHONG 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 外国人特別研究員
|
Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
|
Keywords | 認知症 / 神経細胞 / 食品因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知改善に働く食品成分を究明し、その発現機構を明示するため、神経細胞を用いた評価系の構築を行った。本年度は、この達成のために、マウス神経幹細胞NE-4C(passage 6 ~ 7)を用いて神経細胞への分化を達成するとともに、本分化細胞がアセチルコリン代謝系を保有しているかどうかの検証を試みた。なお、PC12を用いての細胞評価系を想定していたが、培養がうまく行かないことと、アセチルコリン形に拘る受容体が発現していないことから、NE-4C細胞を用いることにした。分化誘導因子としてレチノイン酸を選択し、終濃度1 microMとなるよう5% FBS/EMEM培地に添加して、48時間培養を行った。その後、5% FBS/EMEMで48時間追加培養した後、顕微鏡で神経細胞に特徴的な樹状突起などについて形態観察した。神経細胞マーカータンパク質であるb3tubulin(抗体希釈率1:100)を対象タンパク質として選択し、フルオレセインイソチオシアネートFITCによる免疫細胞染色を行ったところ、vehicle群ではFITC染色による発現が認められなかった。一方、レチノイン酸群ではFITC染色による有意な発現が認められた。DAPIとb3tubulinを重ね合わせたところ、b3tubulinは主に細胞骨格および神経細胞に特有の樹状突起に発現していた。以上より、本実験において、レチノイン酸処理はマウスNE-4C神経幹細胞の分化誘導を可能とすること、本誘導処理によって、幹細胞NE-4Cが脳神経細胞として成立することが確認された。以上により、アセチルコリン系を亢進する食品因子の検索と作用機構の解明のための客観的細胞評価系の構築が達成された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究での細胞として、当初はPC12細胞を用いることにしていたが、脳由来細胞デアに事、発現系の違いなどからNE-4C細胞に切り替え、分化誘導に成功したことから判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
Tyr-Proなど、すでに明らかにしたアルツハイマー病改善ペプチドの作用機作について、分化誘導したNE-4C細胞を用いて、アセチルコリン量を指標として解明する。アセチルコリン賦活に関わる因子を明らかにした後、認知症予防作用に関わるTyr-Proの構造要件を提示するとともに、その構造要件を満たす他の食品因子の探索を実施する。
|