2023 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the prevention mechanism of food factors against impaired cognition
Project/Area Number |
22KF0289
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松井 利郎 九州大学, 農学研究院, 教授 (20238942)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHENG LIHONG 九州大学, 農学研究院, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 認知症 / アルツハイマー / ペプチド / 認知症予防食品 |
Outline of Annual Research Achievements |
認知改善に働く食品成分であるTyr-Proに着目し、食品摂取による認知症予防作用を達成するための基礎的知見について以下の共同研究を実施した。 1)生体利用性の解明:1)脳機能改善作用を有するジペプチドTyr-Proが直接脳に到達し、脳機能に作用しているかどうかを実証するため、ICRマウスを用いて単回投与試験を実施した(10 mg/kg, 100 mg/kg)。なお、高感度分析を達成するため、APDSアミン誘導体化法を適用し、LC-qTOF/MS/MS分析法の最適化を図った。その結果、LODとして9.9 pmol/mL(血液)、6 fmol/mg(脳組織)の高感度分析法が設定された。本法を用いて、10 mg/kg低用量投与においてもTyr-Proの脳到達が初めて実証され、経口摂取したジペプチドが分解されることなくそのままの形で脳まで到達できるという画期的成果を報告するに至っている(11 ng/brain)。 2)アセチルコリン系亢進機構の解明:認知改善に働く食品成分を究明し、その発現機構を明示するため、NE-4C神経細胞を用いた評価系の構築を行った。神経幹細胞NE-4C(passage 6 ~ 7)を用いて神経細胞への分化を達成するとともに、本分化細胞を用いたアセチルコリン代謝系活性化機構の解明を図った。その結果、分化誘導因子としてレチノイン酸を選択し、終濃度1 µMとなるよう5% FBS/EMEM培地に添加して、48時間培養を行い、さらに5% FBS/EMEMで48時間追加培養することによって(Day-4)、樹状突起の進展を観察し、b3 tubulinタンパク質の発現、すなわち神経細胞分化が達成されたことを確認した。そこでこの神経細胞を用いて、Tyr-Proの作用を明らかにしたところ、10 micro-M以上のTyr-Pro添加によってアセチルコリン量が増大することをLC-qTOF/MSによる直接測定によって明らかにした。
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Research Products
(4 results)