2023 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22KJ0062
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松永 隆正 北海道大学, 農学院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 早期警戒手法 / 融雪地すべり / 地表面到達水量 / 実効雨量 / 熱収支法 |
Outline of Annual Research Achievements |
積雪地域では,3~5月に融雪水の浸透に伴う地すべり(融雪地すべり)が発生し,被害をもたらしている。融雪地すべりの被害の防止・軽減には,早期警戒指標・基準を設定し,融雪地すべりの発生に伴う地表面の変状を速やかに発見することが重要であるが,融雪注意報など現在提案・運用されている指標・基準は精度が低いのが現状である。本研究では,融雪地すべり早期警戒手法の提案を行うことを目的とした。 本研究では,地すべり多発地帯である新潟県上越・中越地方において,実効雨量に基づく融雪地すべり早期警戒指標・基準の設定を行った。実効雨量は地すべりの滑動と対応の良い水文指標であり,本研究では実効雨量の計算式において雨量の代わりに地表面到達水量(MR)を用いることで実効MRとして算出した。MRは解析雨量やメソ数値予報モデルなどのメソスケール気象データを用いて熱収支法に基づき地すべり地ごとに算定した。続いて実効MRの標準化を行い,標準得点を地すべり地ごとに求めた。本研究では,既往の融雪地すべり災害の7割を捕捉するような標準得点を早期警戒基準として設定し,早期警戒基準を超過した期間(警戒期間)が最も短くなる半減期を求めた。その結果,半減期240時間,早期警戒基準1.00が得られ,警戒期間は年平均25.8日であった。融雪注意報と比較しても本手法の方が早期警戒手法として優れていた。以上から,個々の地すべり地に対し,メソスケール気象データを用いてMR推定モデルによりMRを計算し,半減期240時間の実効MRを標準化した標準得点が1.00を超過している期間に融雪地すべりに対する早期警戒を行う手法を本研究では提案することができた。地すべり早期警戒期間に当該地すべり地の巡視点検を行い,地表面の変状を発見したらただちに地すべりの移動状況の監視を開始するなど,融雪地すべりに対する早期警戒への本研究の活用が期待される。
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Research Products
(4 results)