2023 Fiscal Year Annual Research Report
新規種苗生産技術の開発に向けたメバル類雄主要尿タンパク質の産生機序と機能の解析
Project/Area Number |
22KJ0070
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山口 燿 北海道大学, 水産科学院, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
|
Keywords | 種苗生産 / メバル属魚類 / 生体指標 / 雄成熟度 / 雄性ホルモン / リポカリン / スリーフィンガープロテイン |
Outline of Annual Research Achievements |
メバル類は人工授精技術を基盤とした種苗生産が取り組まれているが、「雄成熟度判定の不確実性」と「雌親魚の卵巣発達不全」の問題がある。本研究では、これらの問題の解決を目指し、雄主要尿タンパク質 (LCN-lpおよびTFP-lp) に着目して、その産生機序と機能を解析することを目的とした。 本年度は、LCN-lpの産生機序を明らかにすることを目的として、ルシフェラーゼレポーターアッセイによって、クロソイアンドロゲン受容体2種の機能解析とLCN-lp遺伝子プロモーター領域の機能解析を行なった。その結果、アンドロゲン受容体2種のリガンド選択性が明らかになった他、LCN-lp遺伝子プロモーター領域の中で、アンドロゲン応答性に特に重要な領域が特定された。前年度および今年度得られた成果から、腎臓におけるLCN-lp産生が、雄性ホルモンによって転写レベルで上方制御されることが明らかとなった。cDNAクローニングとゲノム解析の結果、複数のサブタイプの存在が認められたクロソイTFP-lpについては、本年度は、単一サブタイプに着目して、in situ hybridization法を用いて腎臓における主要発現部位を明らかにした。また、TFP-lpの機能検証に向けて、大腸菌組換えTFP-lp (rTFP) の発現・精製系の確立に取り組んだ。その結果、rTFPは大腸菌不溶性画分に認められ、同画分の可溶化方法と陰イオン交換レジンを用いた部分精製法が確立された。今後、部分精製後のrTFP含有画分のリフォールディングを行うことで機能試験へ利用できる可能性があり、そのための技術基盤が形成された。 前年度の成果も併せ、本研究では、雄成熟度の低侵襲性判別法の開発基盤を確立した他、LCN-lpの産生機序の一端を明らかにした。今後はLCN-lpおよびTFP-lpのフェロモン機能を検証する生理・行動試験に取り組む予定である。
|