2021 Fiscal Year Annual Research Report
寺院資料調査に基づく中世宗教文芸の総合的研究―祈雨儀礼を中心に
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21J40117
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| Allocation Type | Single-year Grants |
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| Research Institution | Hirosaki University |
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Principal Investigator |
有賀 夏紀 弘前大学, 人文社会科学部, 特別研究員(RPD)
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| Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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| Keywords | 宗教文芸 / 寺院資料調査 / 寺社縁起 / 神道集 / 神祇信仰 / 神仏習合 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、当初計画していた寺院資料調査が遂行困難となったため、『神道集』に関する諸問題の再検討、並びに本文校訂・注釈作業を中心に研究を進めた。また、真言宗寺院が所蔵する神道資料の翻刻作業、および初学者に向けた中世神道の入門書で項目執筆を担当した。具体的な成果は、以下の通りである。
〔１、『神道集』の神祇観の再検討、本文校訂・注釈作業〕中世における神々の分類概念を主軸に『神道集』の神祇観について再考し、その成果を公表した（「『神道集』の神祇観と実者」『北海学園大学人文論集』72号、2022年3月）。また、今後予定されている『神道集』注釈書刊行のための本文校訂と注釈作業（巻四・巻五）を進めた。これらの作業を通して文学・思想史学的な見地から『神道集』の再検討を行い、宗教文芸としての位置づけを明確にする。
〔２、真言宗寺院に所蔵される神祇資料の翻刻作業〕中山一麿監修・伊藤聡編『寺院文献資料学の新展開 第10巻 神道資料の調査と研究Ⅰ』（臨川書店、2021年7月）において、高幡不動尊金剛寺所蔵『神道灌頂口決』（六巻・八巻）、遍照山西福寺所蔵『神道灌頂用意』（二巻・五巻）の翻刻作業を行った。現在、寺院資料調査は実施困難な状況となっているが、すでに収集調査した資料類の翻刻・紹介を行うことで、調査再開後の円滑な課題遂行に備えた。
〔３、初学者向け入門書の項目執筆〕初学者に向けた入門書である『中世神道入門―カミとホトケの織りなす世界』（勉誠出版、2022年4月）において、項目（熊野・諏訪・二所三嶋・富士浅間・神道集・諸神本懐集）の執筆を担当した。中世神道に関する網羅的・概観的な入門書に携わることで、中世の儀礼世界を取り巻く状況や思想的背景への理解を深め、知見を広げた。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症の拡大によって、地域間の移動を伴う寺院資料調査が実施困難となり、資料収集や整理等を計画通りに進めることができなかった。そのため、『神道集』の本文校訂と注釈の作成や、すでに収集した資料の翻刻作業など、実行可能な課題に取り組んだ。また、関連論文の公表による成果報告や、初学者向け入門書の項目執筆などを行った。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は社会情勢を鑑みながら、寺院調査の再開や収集資料の分析・公開を企図している。具体的には、覚城院（香川県三豊市）や神奈川県立金沢文庫保管の称名寺聖教など、真言宗寺院に所蔵される文献資料の継続的な調査を進め、真言宗寺院の儀礼空間と、儀礼をとりまく学問体系や寺院間ネットワークについて考察する。また、引き続き注釈書出版を目的とした『神道集』の本文分析と注釈の作成を、当該書籍刊行のための研究会メンバーと協力して進める。それによって得られた知見からの論文執筆と学会発表を行う。
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Research Products
(3 results)
