2023 Fiscal Year Annual Research Report
無容器法による希土類酸化物高含有ガラスの創製と設計指針の確立
Project/Area Number |
22KJ0147
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
佐々木 俊太 弘前大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 酸化物ガラス / 構造解析 / ホウ酸 / 磁気光学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、希土類酸化物を高濃度に含有したガラスにおける、物性、特に機械特性や磁気光学特性と組成や構造との相関を明らかにすることを目指した。希土類酸化物を含有したガラスは、優れた磁気光学特性を示すが、希土類酸化物を高濃度に含む組成では、ガラス合成が困難であった。しかしながら、研究代表者らは、これまでに無容器法を利用して合成した希土類ホウ酸R2O3-B2O3二元系組成でのガラス合成に成功した。これらのガラス組成について、磁気光学特性としてファラデー回転角を測定した。その結果、Pr, Tb, Dyを含む組成では一般に応用されているTb3GaO12を大きく上回るファラデー回転角を示し、特にTb3+含有量が磁気光学特性の向上に重要な役割を果たしていることを確認した。La2O3-Y2O3-B2O3などの希土類ホウ酸三元系組成などのガラス化範囲を探索した。La2O3-Y2O3-B2O3三元系の構造解析からB2O3含有量を一定とすると、La2O3とY2O3の割合を変更することで、BO4ユニットの割合が増加しており、ホウ素周囲の構造が系統的に変化していることを見出した。また、11B 3QMAS NMRに基づく構造解析により、BO3とBO4の両方が非架橋酸素を多く持ち、ネットワークが断片化された特異な構造を有していることが明らかとなった。さらにMakishima-Mackenzieの式に基づくヤング率の計算により、非架橋酸素の存在がホウ酸ガラスのヤング率の向上に寄与していることが見いだされた。
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Research Products
(4 results)