2022 Fiscal Year Annual Research Report
流れのリアルタイム制御を可能にする動的スパース観測の実現
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21J20671
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 圭吾 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 最適化 / センシング / データ駆動型モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではデータ解析からモデルを作るデータ駆動的なアプローチを採用し、現象の近似モデルの推定・観測系の逐次最適化を組み合わせて、少数のセンサによる現象観測手段の開発を目指す。先行研究では正弦波基底を用いる圧縮センシングを応用したが、流れのエネルギの大部分を占める規模の大きい構造の再現にかなり多くの観測点数を必要とし、空間的な要素数の1%程度を用いて推定を行った。流体の運動に普遍的に見られる物理的な性質を陽に取り入れ、推定には観測点をどこに配置するか・観測の情報からどうやって構造を再構築するか という視点で本研究を進める。 第二年度となる2022年度の実施項目は以下の三つに大別される。 1. 可観測性に基づくセンサ位置選択手法の開発 2. 低次元動的モデルを少数のセンサの観測から識別する手法の実現可能性検討 3. 解像度の異なる実験データに基づく複雑流動現象のデータ駆動的な表現手法の開発 前年度から継続している項目1では国際学会での発表や学会誌論文への投稿を行った。これにより数理最適化手法への理解を深めつつ、初年度までに行っていた静的なモデルに対するセンサ位置選択の手法を動的なモデルへと拡張した。項目2に関しては、受け入れ研究者と議論を重ねながら解析を重ね、先行研究の手法に対して新規性を加えた手法を検討している。項目3は外部施設で行った実験のデータを解析し、時空間の解像度の異なるデータから流体現象のモデルを構築した。これに関しては国内学会やシンポジウムで口頭発表を行い、次年度の発表に向けて学会誌向けに論文を執筆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
事前の計画と比較すると進捗には遅れが見られる。主に遅れているのは学振で行う研究の新規性を代表する、「低次元動的モデルを少数のセンサの観測から識別する手法の開発」に関連する部分である。 具体的にはモデルが表現する現象に関する物理的・経験的な知識をモデル化の制約に用いる手法ができていない。原因は周辺研究のサーベイや既存手法への理解が不十分であり、扱う問題の整理ができていなかったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
課題解決に向けたアプローチは考案しているので、最終年度で実際に最適化の定式化を行い評価を行う。その際、対象とする題材である流体力学的な知見や最適化の計算における工夫が必要であり、受け入れ研究者との議論を活発に行いつつ作業を進める必要がある。
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