2022 Fiscal Year Annual Research Report
in vivoカルシウムイメージングを用いた客観的疼痛評価方法の確立
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21J21985
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
工藤 葉子 東北大学, 歯学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔顔面痛 / 蛍光カルシウム蛋白 / 慢性疼痛 / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は安定して遺伝子組み換え動物を供給できる環境を作ることに重きを置き、外部の施設で繁殖をしてくださっている先生と連携を行った。繁殖中の遺伝子組み換え動物の様子を確認しつつ、遺伝子組み換え動物以外の動物を用いながら、安定した手術手技の確立と、評価方法の確立を目指した。通常の動物でも侵襲を伴う手術であるため、毎回同じような神経損傷モデルを作製することに苦戦している。手術の麻酔方法もまだ吸入麻酔薬でしか行えておらず、静脈麻酔薬を用いての手術方法の実践や、顕微鏡で観察する際に静脈麻酔で維持させる装置の確立も並行して進めている。また、遺伝子組み換え動物でなくても本実験の目的を達成させるために同じ実験系を確立できないか試行錯誤をしており、代替となる蛍光色素などを検討している。脳神経細胞に蛍光カルシム蛋白を発現していない遺伝子組み換え動物を使用する場合には、観察可能な脳の領域も異なるため、本実験の目的を達成するのにふさわしい脳領域の観察が可能かどうか、手術方法も可能かどうかを含めて総合的に検討を行っている。 動物実験を行うのにも限りがあるので、動物実験ができない期間には、実際の慢性疼痛患者の大規模コホート研究のデータを使用させていただきながら、実験データの処理方法にも関与する統計学の知識を学んだ。慢性疼痛患者の疫学的特徴や治療方法の実際を学ぶことで代替で観察する脳領域の候補についても理解を深めることができた。動物実験のデータをまとめていく上でも疫学統計の知識と技術は非常に重要であり、今後結果をまとめていく際に学んだ知識と技術を活かしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
モデル動物が非常に珍しく、繁殖に慣れていないこともあるため、マウスの凍結胚を起こして、繁殖をさえるのに非常に苦戦しているため、なかなか本来用いるべき遺伝子組み換え動物での実験が進まない環境にある。遺伝子組み換え動物が安定供給されるようになった際にはすぐに目的の実験が行えるように手術や観察できる顕微鏡の整備を整えている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子組み換え動物の繁殖が難航しているため、遺伝子組み換え動物ではなく、一般的なマウスでの代替実験を検討している。その場合には目的としている蛍光カルシウム蛋白質での評価方法に工夫が必要であり、使用する蛍光色素の検討や観察する領域の変更を検討する悲痛様がある。すでに数種類の代替となる蛍光色素は検討中である。観察領域の変更については、領域が異なると本来の研究目的である痛みの評価を達成できない恐れもあるため、動物実験の先行研究や臨床研究を参考にしながら、観察領域の選定を行う予定である。
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