2023 Fiscal Year Annual Research Report
高統計ラムダ陽子散乱実験を用いたバリオン間相互作用の起源の研究
Project/Area Number |
22KJ0205
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
梶川 俊介 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | YN相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、先行研究の1000倍以上の統計数のΛp散乱実験を行い、高運動量領域でのΛN二体相互作用の性質を解明することを目的としている。本実験はJ-PARC高運動量ビームライン(high-pビームライン)2次粒子ビームモードでの実施が計画されており、そのための汎用実験システムの開発が進められている。申請者は本グループに参加し、研究期間全体を通して、MPPC読み出し回路(CIRASAME基板)用ファームウェアの開発と、EMPHATIC実験(アメリカ・フェルミ国立加速器研究所)への参加及びそのデータを用いたhigh-pビームラインのバックグラウンド反応研究を行った。 CIRASAME基板用のファームウェア開発においては、CITIROC(MPPC読み出し用ASIC)及びMPPCバイアス電源の制御を行うモジュールを作成し、MPPC信号が測定できることを確認した。 EMPHATIC実験への参加及びそのデータを用いた解析に関しては、申請者は合計3回行われたデータ測定のすべてに参加し、high-pビームラインのバックグラウンド反応研究用のデータ測定を完了した。2023年度は、昨年度末から続く2023年3~4月の3回目のデータ測定への参加と、そのrunで測定したデータの解析を行った。データ解析において申請者は、high-p実験グループから検出器の貸し出しを行った飛行時間検出器(TOF検出器)及びTOF検出器と組み合わせて散乱粒子の識別に利用するシリコンストリップ検出器(SSD)の解析を実施し、TOF解析の手法並びに、high-pビームラインのシミュレーション解析に用いたコードを利用したトラッキング解析の手法を確立した。COVID-19による実験延期の影響で、期間中に断面積導出は完了しなかったため、2024年度中の断面積導出及びバックグラウンド反応評価の完了に向けた解析を現在実行中である。
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