2022 Fiscal Year Annual Research Report
複合材航空機主翼の空力・構造・破壊解析統合と非線形非定常性を考慮した設計法の確立
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22J10686
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊達 周吾 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 炭素繊維強化プラスチック / 流体構造連成問題 / マルチフィジックス解析 / マルチスケール解析 / 寸法最適化 |
Outline of Annual Research Achievements |
炭素繊維強化プラスチック(CFRP)製航空機に特有の設計手法の確立に向けて,数値計算によるCFRP製主翼設計の枠組みを構築し,解析結果について議論した.解析の枠組みを以下の三つの要素により構築した:A)流体と構造の双方向連成解析:B)マルチスケール解析を用いた材料強度と剛性の推算:C)多目的最適化による翼形状の設計.Aについて,流体と構造の双方向連成解析を導入し,静的つり合い時における空気力を基準とした翼構造設計を行った.剛体の翼を仮定した一方向連成解析が予測する空気力と比べ,双方向連成解析が予測する空気力は,約25%小さいことを示した.翼内部構造の設計は,負荷される空気力に大きく影響を受けるため,翼設計における双方向連成解析の有用性を示したと言える.Bについて,ばね要素モデルや微視的有限要素解析による材料強度の予測を導入し,複合材料特有の破壊モードである繊維破断や局所座屈,亀裂の発生による強度を予測した.繊維選択による剛性と強度の変化を翼設計に組み込むことで,既存の航空機に未適用の繊維が翼の軽量化に寄与する効果を定量的に推算できることを示した.また,従来の繊維と比べて高剛性・高強度な繊維を使用することで,座屈強度や引張強度は増加するが,圧縮強度は同等か減少することが確認された.その結果,座屈強度と圧縮強度の傾向が異なることで,翼上面の破壊モードにも変化が生じることが示された.Cについて,遺伝的アルゴリズムを導入し,翼形状の最適化を行った.アスペクト比の大きい翼は抗力係数が低いものの構造重量が増加する傾向にあることを定量的に示した.また,翼形状によって翼構造の破壊モードが変化することを示した.このように,数値計算によるCFRP製主翼設計の枠組みを構築し,設計結果の議論を行った.枠組み内の流体・構造ソルバーの拡張を行い,非線形・非定常性を考慮した設計手法の確立を目指す.
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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