2023 Fiscal Year Annual Research Report
受動的福祉用具を必要な時に必要な場所へ!介護施設で搬送ロボットがもたらす自立支援
Project/Area Number |
22KJ0234
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
DONG ZONGHAO 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 搬送ロボット / 移動ロボット / サービスロボット / オブジェクトマニピュレーション / システムインテグレーション / ヒューマンロボットインタラクション / 状態推定 / 移動支援ロボット |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,介護施設内でよく導入される受動的な搬送対象を必要な場所へ移動できる自律移動搬送用ロボット及び制御システムの開発を目的とする.その実現に向け,研究期間全体を通じて,深層学習を用いた福祉用具の認識、把持点の判断、牽引制御システムの構築を中心に研究を組み込んだ. まず令和3年度から令和4年度は,介護施設向けの自律移動搬送ロボットを試作した.試作したロボットは,垂直方向の変形する能力を持ち,なおかつ搬送対象を瞬時にクランプできる把持機構も有した.また,センサーシステムで収集した福祉用具の画像及び三次元点群を用いて福祉用具の種類の認識、理想的な把持位置を算出できるそれぞれの深層学習モデルを作成した. その後,令和4年度から令和5年度は,開発したロボットを使い,福祉用具の認識、把持、搬送などの機能を含め一連の動作を実現できる搬送手法を提案した.また,搬送可能な福祉用具の種類を増加するため,拡張可能なデータベースを構築した.介護現場でよく導入された福祉用具の種類を調査し,各用具の外型、2D画像、3D点群、最適な接触位置、ホロノミックシステムの有無などの情報をデータベースにまとめ,開発した搬送ロボットに実装した.最後に,搬送物体のダイナミックスが未知であっても,支援器具を使用者まで移動させることができるか検証実験を行った. 追加課題として,福祉用具への移乗や福祉用具使用開始時に生じる転倒リスクの低減を着目し,使用者の起立状態をRGB-Dカメラで把握できる状態認識システムを提案した.その手法を搬送ロボットに実装することによって,使用者がより安全かつ安心して福祉用具を使うことができ,介護士の負担軽減にも繋がる. 最後に,得られた研究成果を整理し,学術雑誌の投稿または学会発表を行った.現時点では国内学会・国際学会(ワークショップを含め)を4本発表し,雑誌論文は2本査読中,1本執筆中であった.
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