2022 Fiscal Year Annual Research Report
秩序無秩序相が誘起するニッケル層状酸化物の新奇金属絶縁体転移と超伝導物性への展開
Project/Area Number |
22J13573
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
松本 倖汰 東北大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 局所原子配列制御 / 粉末X線回折 / 結晶相の熱的スイッチング / 層状遷移金属酸化物 / リートベルト解析 / 相変化材料 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、岩塩層のSr/Bi配列が異なるSr2.5Bi0.5NiO5の多結晶試料を合成し、結晶構造解析と基礎物性の温度依存性の評価を行った。また、単結晶の合成条件を検討した。 ポストアニールを行った多結晶試料について、SPring-8にて粉末X線回折測定を行い、4種類のSr/Bi配列の結晶構造を同定した。4種類の結晶構造はそれぞれ、既知の完全秩序相、新規に発見した秩序相、無秩序相、完全無秩序相であった。また、800 ℃前後でのアニールでは、磁性絶縁体の新物質であるダブルペロブスカイトSr2BiNiO4.5に相変化することもわかった。基礎物性の評価により、Sr2.5Bi0.5NiO5は金属的な基底状態をとる常磁性体であるものの、Sr/Bi配列によって電気抵抗率が大きく異なることがわかった。室温から950 °Cに至る高温領域での電気抵抗率も評価した。その結果、Sr/Bi配列の秩序構造と無秩序構造、および秩序構造とダブルペロブスカイトが、熱的にスイッチング可能であることを見出した。さらに、構造のスイッチングに伴い、102倍と109倍という顕著な電気抵抗率の変化を示すことがわかった。これは、カルコゲナイド相変化材料と同様な、大きな電気抵抗率変化を伴う相変化である。 構造変化の過程について明らかにするため、SPring-8において加熱・冷却中のin-situ測定も行った。Sr/Bi配列が秩序配列から無秩序配列に変化し、直方晶相を経て、ダブルペロブスカイトに構造変化する様子を観察できたが、試料ホルダーの変形により冷却中の構造変化の観察はできなかった。また、Ptるつぼを使ったフラックス法による単結晶合成を試みたが、合成条件が還元的になってしまい、Sr2.5Bi0.5NiO5ではなく、NiOの単結晶が合成された。
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Research Progress Status |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
翌年度、交付申請を辞退するため、記入しない。
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