2023 Fiscal Year Research-status Report
脚型クライミングロボットの完全自律化に向けた視覚・触覚融合による未知環境地図構築
Project/Area Number |
22KJ0292
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大河原 拓 東北大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2025-03-31
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Keywords | SLAM / オドメトリ / センサ融合 / ファクタグラフ最適化 / 移動ロボット / ロボティクス / 宇宙ロボット / 触覚 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度までは、脚型ロボットのSLAMに触覚の項を統合するための理論の概要を構築していた。しかしながら、前年度に構築した理論に加えて、脚型ロボットのオドメトリ(脚の関節情報から移動量を推定する問題)を統合する必要があることが分かった。また、脚型ロボットのオドメトリ(以後、レッグオドメトリと記載)は、機構パラメータ(リンク長など)に誤差がなく、滑りや地面の変形がないような理想的な条件を仮定している。そのため、脚の運動や環境に応じてどれだけ脚が滑っているか、どれだけ地面が変形しているかを考慮しなければいけない。つまり、脚型ロボットの機構パラメータと環境要因(滑りや地面の変形など)をオンラインでキャリブレーションする機能を備えたレッグオドメトリをSLAMに統合する必要がある。 脚型ロボットは非線形性が強く、ロボットシステムが複雑であることから、まずはシンプルなシステムである4輪駆動のスキッドステアリングロボットにおけるホイールオドメトリのオンラインキャリブレーションに取り組んだ。はじめに、ロボットの速度と車輪速が線形と仮定されたフルリニアモデルというホイールオドメトリモデルのオンラインキャリブレーションに取り組んだ。このとき、オンラインキャリブレーションとSLAMが同時に解かれるような推定システム(ファクタグラフ最適化)を構築した。具体的には、LiDAR、IMU、ホイールエンコーダの観測から、SLAMとオンラインキャリブレーションを同時に解くシステムとなっている。同システムのオンラインキャリブレーションが実行されれば、機構パラメータ(車輪径など)や環境要因(滑りなど)などの影響を補償し、LiDARの拘束が途中で欠如するような難しい条件下でも正確にSLAMが可能となることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
SLAMの理論を提案し、実証する際に難しい点としては、その新しいSLAMのシステムを実装することとなる。「研究実績の概要」で記したように、ロボットのオンラインキャリブレーションとSLAMを同時に解くシステムを実装し、有効性を検証できた。したがって、本研究課題の技術的な課題であったSLAMの実装の根幹が完成したため、残る作業としては、提案するシステムを同様に実装し、評価をすることとなる。
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Strategy for Future Research Activity |
脚型ロボットの触覚、オドメトリを考慮したSLAMを完成させる。はじめに、脚型ロボットの脚の変形や滑り、地形の変化などを補償するようなオンラインキャリブレーションの拘束を設計する。また、脚型ロボットの触覚による拘束も同時に考慮するようにする。 そして、脚型クライミングロボットに上記のSLAMを適用し、従来法よりも高精度な推定であることを検証する。また、同システムに基づき、自律移動が実現できることも検証する。 上記のSLAMの成果を論文にまとめ、学術誌、国際会議への投稿、掲載を目指す。
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Causes of Carryover |
実験で使用するロボットテストベッドの開発には多くの失敗がつきものだが、想定より順調に進んだため、3Dプリンタのフィラメントなどの物品の購入数が少なくて済んだ。研究計画としては問題ないと考えているため、特に変わらずに翌年度の研究を実施していく。
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Research Products
(6 results)