2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of the Dementia-Friendly Environmental Assessment Tool for Japanese care and nursing homes
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22J12059
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山崎 由利亜 千葉大学, 大学院看護学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 認知症フレンドリー / 環境評価ツール / 当事者視点 / 高齢者向け住まい / 長期ケア施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年11月~2023年1月は出産に伴う研究中断、2023年2月から5月まで研究再開準備支援期間とした。さらに本研究課題に関する近似研究の進捗について情報を得たことより、2022年度は当初計画の見直しと変更を行った。 当初計画では、2022年度は【第一段階】環境評価ツール(原版EAT-HC)の日本語翻訳版に関する最終レビューおよび【第二段階】ツールの適切性と文化適用性に関するフィールド調査・次年度の検証計画を遂行する予定であった。しかし、近似研究では、EAT-HCの日本・ドイツ・シンガポールでの文化適用の検討が進み、すでにEAT-HC日本版の開発が最終段階にあるとの情報を得た。そこで本研究はEAT-HCの環境評価視点を基盤としながらも認知症を有する高齢者本人の視点と参画に焦点を当てた認知症フレンドリーな環境評価ツールの開発を目的とすることとした。 修正された研究計画は、2段階で構成する。【第一段階】は認知症を有する高齢者本人と家族の視点を踏まえたツールVer.1(試行版)の設計であり、<研究1-1:認知症を有する高齢者と家族の視点を踏まえた環境評価軸と環境評価視点の特定><研究1-2:ケアを受けながら暮らす場の選定へ認知症を有する高齢者の参画を促進する環境評価ツールVer.1(試行版)の作成>を行う。<研究1-1>はケアを受ける場で暮らす認知症を有する高齢者と家族を対象に、写真抽出法を用いたインタビュー調査を実施し、本人視点を踏まえた環境評価の軸と視点を探索する。2022年度は本研究の前段階で実施したインタビュー調査の結果を国際学会で発表し、2022年度末に<研究1-1>フィールド調査の倫理審査を通過した。 【第二段階】は、本ツールVer.1(試行版)の理解可能性と利用可能性の検証およびツールVer.2への洗練を計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2022年11月出産のため、妊娠後期から産後にかけて研究中断期間を設けた。さらに、研究課題に関する近似研究の進捗について情報得て、研究計画の見直しが必要になった。このような状況により、研究計画を修正したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究について、修正した研究計画に基づき、以下のように推進していく。 2023年度は、【第一段階】認知症を有する高齢者本人と家族の視点を踏まえたツールVer.1(試行版)の設計を進め、【第二段階】本ツールVer.1(試行版)の理解可能性に関する検証を進め、2024年度は利用可能性に関する検証として実臨床での試行とその結果に基づくツールの洗練を予定する。 現在<研究1-1>フィールド調査の倫理審査を通過し、データ収集への協力依頼を進めている段階である。今後はデータ収集を本格的に始め、研究1-1の結果に基づき、<研究1-2>本ツールVer.1(試行版)の作成を今年度7~8月にかけて遂行、9月以降に本ツールVer.1(試行版)の理解可能性に関する検証を進める。 研究1-1の結果の一部は、2023年12月または2024年3月の看護系学会での発表を目指す。また、2022年度に発表したこれまでの研究成果について国内外の学会誌へ投稿することで、研究成果の公表も進めていく。 COVID-19感染症拡大に対する対応は緩和されつつあるが、本研究課題が対象とする高齢者向けの施設や住まいでは、依然として外部との接触を控えざるを得ない施設も多数ある。そのため、フィールド調査の受け入れが難しい場合も想定される。その場合は、研究室のネットワークを活用しフィールド候補を拡張しつつ、施設スタッフに協力を得る、あるいは自宅で暮らす認知症高齢者を対象にするなどに切り替えて対応する。また研究者は、昨年の出産に伴い乳幼児の育児を担いながら研究を進めていく。そのため、子の体調不良や予期せぬイベントにより研究遂行が阻まれる場合も想定される。託児利用や研究計画・スケジュールに柔軟性や余裕を持たせ、指導教員や所属研究室・大学と相談・支援を受けながら対応する。
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