2022 Fiscal Year Annual Research Report
事例検討会による保健師の職場内教育(OJT)を推進するガイドブックの開発と検証
Project/Area Number |
22J12167
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
佐藤 太一 千葉大学, 看護学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2024-03-31
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Keywords | 事例検討会 / 保健師 / 職場内教育(OJT) / ケアリング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、事例検討会による保健師の職場内教育(OJT)モデルを実践現場で実装可能なものとするガイドブックを開発し、検証することである。 令和4年度は、研究1-1として、1自治体の予備研究の追加調査も踏まえて、まず事例検討会による保健師のOJTを推進するガイドブックを開発した。ガイドブックは、1.事例検討会による保健師のOJTに関する理論的基盤の解説、2.ガイドブックの使用方法の解説、3.事例検討会による保健師のOJTに関する要素の解説(要素①事例検討会による保健師のOJTの推進プロセス、要素②事例検討会を保健師のOJTとして実施するために必要な条件、要素③事例検討会による保健師のOJTに影響を与える要件、要素④事例検討会による保健師のOJTの成果)により構成した。 次に研究1-2として、ガイドブックの妥当性、実用性の検証を行った。専門家グループとして、看護職の職場改善に関する研究者(2名)、保健師のOJTを推進した経験のある管理者保健師(6名)の協力を得た。サブグループとして、以下16名からも意見を聴取した。すなわち事例検討会によるOJTの担当経験のある保健師(8名)、新任期保健師(8名)である。専門家グループには、ガイドブックと質問紙を事前に送付し、ガイドブックの「3.事例検討会による保健師のOJTに関する要素」の小項目ごとに妥当性、実用性を9段階で評価してもらい、結果を集計した後に返送し(その際サブグループの集計結果も送付)、その後に専門家グループパネル会議(2時間)を実施した。パネル会議実施後に研究者が、修正したガイドブックと質問紙を送付し、再度妥当性、実用性の評価を受けた。最終的に妥当性は130項目全てが妥当であると評価され、実用性は、130項目中63項目が重要であると評価された。以上の評価結果とガイドブックの理論的基盤との再照合により、ガイドブックを修正した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度は予定通りガイドブックの開発と妥当性・実用性の検証を完了したが、令和3年度の予備研究の調査地確保がCOVID-19の影響により遅れ、その影響により令和4年度末に予定していたガイドブックの検証が令和5年度から開始予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究1で開発したガイドブックを実践現場で活用してもらうことにより、ガイドブックの有効性の検証を行う。研究デザインは、Realistic evaluationとし、コンテクスト×メカニズム=アウトカムの原則により評価を行う。研究対象は、5職場とし、自治体のレベル、規模、人材育成の体制、事例検討会の取組状況が多様になるようサンプリングを行う。 本ガイドブックは、設計、事例検討会の複数回の実施、評価を行うことを、実践現場に期待するため、検証の期間は6か月以上とする(当初の予定では12か月としていたが、予備調査の遅れにより検証期間を短くする)。アウトカムの評価は、既存の尺度を活用して、検証前後の変化を収集し、評価する。あわせてインタビューによっても情報収集を行う。コンテクストの評価は、検証前後に、モデルが示す影響を与える要因に沿って、職場の管理者保健師へ半構造化インタビューを行い、評価する。メカニズムの評価は、①設計の段階で何を計画し、何が達成できたかについて、検証前・検証中・検証後に管理者保健師への半構造化インタビューと職場の保健師へのグループインタビューによって行うことと、②実施の段階での事例検討会の参加観察により行う。
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