2022 Fiscal Year Annual Research Report
被子植物における分子進化速度と生態的特性の相互作用の解析
Project/Area Number |
22J40062
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
片山 なつ 千葉大学, 理学研究院, 特別研究員(RPD)
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Project Period (FY) |
2022-04-22 – 2025-03-31
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Keywords | 分子進化速度 / 被子植物 / 生態的特性 / 突然変異率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、被子植物全体において、分子進化速度の変更パターンと生態的特性との関連性を解明することを目的としている。第一年度は、本解析のベースとなる被子植物大規模系統情報と生態的形態的表現型データセットの取得と整備をおこなった。被子植物の大規模系系統情報については、Zanne et al. (2014)と1KP (2019)、Ramirez-Barahona et al. (2020)の系統解析データを取得し解析を進めている。表現型データセットについては、Zanne et al. (2014)とRamirez-Barahona et al. (2020)が使用している形質データに加え、TRY Plant Trait データベースに公開されているデータを使用することとした。系統解析で使用された種とTRY Plant Trait データベースに形質が登録されている種が一致しないことが多いため、使用する形態データの選別に加え、種レベルではなく属レベルでの解析が可能かを検討している。その結果、種レベルでは3つの系統解析の種数の50%以上をカバーするTRY trait 形質データはいずれの系統解析についても一桁以下しか得ることができなかったが、属レベルでは1KP (2019)については39形質得ることができた。また、TRY Plant Trait データベースは、公開されている多数のデータベースを集約したデータベースであることから、形質データ値の統一を行なっている。第二年度以降、引き続きデータセットを整備し、分子進化速度の変更パターンと生態的特性との関連性の解析を実施する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第一年度は、予定通り、本解析のベースとなる被子植物大規模系統情報と生態的形態的表現型データセットの取得と整備をおこなった。被子植物の大規模系系統情報については、Zanne et al. (2014)と1KP (2019)、Ramirez-Barahona et al. (2020)の系統解析データ、生態形質データについてはTRY Plant Trait データベースに公開されているデータを使用することとした。これまでに、3つの系統解析のデータとTRY trait 形質データの統合を進めることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
被子植物の大規模系系統情報(Zanne et al. (2014)と1KP (2019)、Ramirez-Barahona et al. (2020))と表現型データセット(TRY Plant Trait データベース)の種が一致しないため、種レベルに加えて属レベル、あるいは科レベルでの解析を進める。 また、TRY Plant Trait データベースの形質データ値の統一を行なっている。引き続きデータセットを整備し、分子進化速度の変更パターンと生態的特性との関連性の解析を実施する。
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Remarks |
令和5年度科学技術分野の文部科学大臣表彰(若手科学者賞) 「植物における極限環境への適応進化と多様化に関する研究」 第19回日本植物学会奨励賞 「多角的アプローチによるカワゴケソウ科の多様化プロセスの包括的理解―生育環境と進化の相乗効果―」
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