2023 Fiscal Year Annual Research Report
幼児の対人葛藤場面における当事者としての交渉にみる社会的調整
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22KJ0535
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松原 未季 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | 対人葛藤 / 交渉 / 4歳児 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度の研究実施状況としては、第一に、関西圏の公立こども園2歳児クラスにおいて 、月2回程度計20回フィールド観察を行った。主に、遊びや生活の中での対人葛藤場面 や躓きの場面を観察した。調査クラスの担任保育者には、各学期末にインタビューを実施 し、観察事例を共有しながら、2歳児の対人葛藤場面や躓き場面における2歳児の対処の 仕方や、それに対する保育者の援助の在り方について聞き取った。第二に、201X年5月から201X+2年3月まで2年間参観した4、5歳児クラスで高度な交渉能力を身につけた女児の交渉能力の発達と仲間関係や遊び、自己発揮の在り方の変容の関連を分析し、日本保育学会第76回大会において、「幼稚園入園後2年間にみる幼児の交渉の高度化とその効果と利益:「高度な交渉を示す幼児に着目して」というテーマで、5にポスター発表を行った。第三に、2年間の私立幼稚園での対人葛藤や躓きに焦点を当てた調査をクラス替えや進級という観点から分析を行い、その成果を「幼稚園4、5歳児クラスにおけるクラス替えによる環境移行の認識・対処の変化とそれに対する保育者の援助:5クラスのクラス替えが行われる園での縦断的調査から」というテーマで、6月に日本子ども社会学会オフラインによる子ども社会学研究でポスター発表を行った。また、11月に日本質的心理学会第20回大会において、「幼稚園のある5歳児の『つまずき』場面におけえる対処とそれにおける保育者の援助:5クラスのクラス替えが成される園での調査から」というテーマでポスター発表を行った。第四に、201X年度4歳児クラスの喧嘩やいざこざでの交渉の発達とそれに対する保育者の援助について分析を行った。調査協力園の方針や担任保育者の援助、保育観が、4歳児の対人葛藤場面における交渉の在り方にどのように影響を与えていたのかということについて分析を行った。
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