2021 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Drug Delivery System for RI Drugs Using Chromophore - Assisted Light Inactivation and Computational Science
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21J01365
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
巽 俊文 東京大学, 薬学系研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | 光照射不活性法 / 改変ストレプトアビジン / ビスイミノビオチン / 211-アスタチン / α線放出核種 |
Outline of Annual Research Achievements |
独自の抗体-改変ストレプトアビジンと改変ビスイミノビオチンによる薬物送達システムを利用してα 線放出核種である211At を光照射不活性法と融合したプレターゲティング法でがん組織に送達させることで、副作用が低く、治療効果の高い治療法の開発を目指し、検討を行った。 近赤外光を照射することにより、一重項酸素が発生する光増感剤を設計し合成した。 次に、合成した光増感剤を一本鎖抗体-改変ストレプトアビジンに導入する手法を検討した。光増感剤中のカルボン酸を活性エステルに変換し、ストレプトアビジンのリジン残基にランダム修飾で光増感剤を導入した。並行して、所属研究室で独自に開発された位置選択的な化学触媒を用いて、改変ストレプトアビジンとイミノビオチンの結合ポケット周辺に存在するリジン残基へ光増感剤を導入することにも成功した。 光増感剤を担持した一本鎖抗体-改変ストレプトアビジン及び、改変ビスイミノビオチンを担持したビーズを用いて、近赤外光の照射により、改変ストレプトアビジンと改変ビスイミノビオチンの結合力が低下するか確認した。その結果、近赤外光を照射した場合、改変ストレプトアビジンと改変ビスイミノビオチンの結合力が低下することが確認された。この結果から、開発した光増感剤を一本鎖抗体-改変ストレプトアビジンに導入することで、血中に残存するキャリア分子を不活性化することができ、本薬物送達システムの光照射不活性法への応用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
光照射不活性法に適した光増感剤の開発に成功し、複数の手法でキャリア分子-改変ストレプトアビジン複合体に光増感剤を導入するためのタンパク質修飾法を確立できた。また、近赤外光照射と改変ビスイミノビオチンを担持したビーズを用いたアッセイ系において、近赤外光照射によって、光増感剤担持-改変ストレプトアビジンと改変ビスイミノビオチンの結合力の低下が確認されたことから、光照射不活性法を試験管内で達成することに成功した。しかしながら、がん細胞中での実験系や担癌マウスを用いた薬物動態解析に進めていないので、来年度にはがん細胞を用いた実験系を確立する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、見出した光増感剤を改変ストレプトアビジンに複数の手法で導入し、がん細胞を用いてin vitroでの実験を進める。具体的は、がん細胞に光増感剤が担持された改変ストレプトアビジンを加え、結合を確認した後、近赤外光を照射し、蛍光分子を導入した改変イミノビオチンを加えて、結合が維持されるかを確認する。がん細胞実験で有望な結果が得られれば、担癌マウス及び、見出した光照射不活性法を用いたプレターゲティング条件で、薬物動態解析の実験に進む。近赤外光の照射時間や投与間隔、光増感剤の構造の微調整を行い、再度、薬物動態試験を行う。
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Research Products
(2 results)