2023 Fiscal Year Annual Research Report
On the use of CHIME to detect long-duration radio transients from neutron star megers
Project/Area Number |
22KJ0573
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鹿内 みのり 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2023-03-08 – 2024-03-31
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Keywords | ショートガンマ線バースト / 連星中性子星合体 / 重力波 |
Outline of Annual Research Achievements |
電波望遠鏡CHIMEと重力波検出器LIGO/Virgo/KAGRAによるショートガンマ線バーストからの残光の同時観測に向けて、解析パイプラインの構成を大きく見直し、同時観測の可能性について重要な結果を得ることができた。 ここで言う解析パイプラインは、電波データを解析し、ショートガンマ線バーストからの残光探査を行うためのものである。これまで、シミュレーションで得られた残光の光度曲線をノイズデータに足し合わせることで得られたデータを解析パイプラインに通す「injection test」を行っていた。 これまでの解析パイプラインを注意深く見直したところ、問題となったのは、シミュレーションデータを足したデータと、足していない純粋なノイズデータで、異なるプロセスで処理されていたことであった。そこで、新しいパイプラインでは、どちらのデータに対しても、同じプロセスで処理するようにし、injection testによって検出可能とみなされた残光データの性質を調べた。 ここでは、理想的な状況として、ノイズは定常ガウシアンであると仮定し、実際のCHIMEのduty cycle(観測期間のうち、データが存在する日の割合)に応じてデータの一部を隠した場合のデータも解析した。その結果、duty cycleによって検出可能な残光数は大きく変化するものの、付随する重力波探査を行う対象である比較的近く(<~ 100 Mpc)に存在する観測可能な残光の数は大きく変化しないことが分かった。また、残光が近くに存在するほど、推定される残光の発光開始時と実際の開始時の差(”time discrepancy”)が小さくなることも分かった。検出可能な残光のうち10%ほどは、time discrepancyの絶対値が一週間であることも得られた。
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