2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive understanding of rare earth elements enrichment by molecular geochemistry and its application to resource engineering
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21J20672
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長澤 真 東京大学, 理学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2021-04-28 – 2024-03-31
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Keywords | レアアース / イオン吸着型鉱床 / ハンドオーガーボーリング / X線吸収微細構造(XAFS) |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン吸着鉱における鉛直方向のREE挙動(形成機構)を解明するため、国内花崗岩体において土質調査用のハンドオーガーボーリングを実施した。具体的には、人力でオーガー(掘削器具)を回転圧入させ地中を掘削し、20 cmごとに地上に引き上げ試料を分取した。オーガーの孔径は10 cm、到達深度は最大8 m程度で、風化花崗岩のような軟らかい土壌試料のみ掘削可能である。ボーリング実施点に関しては、携帯型蛍光X線分析装置を用いることで効率的な選定を行った。分析手順としては、風乾した試料を振動ミルにより粉砕した後、混酸による岩石分解・1 M塩化アンモニウム溶液による抽出実験を行い、それぞれ全岩REE濃度・抽出REE濃度を得た。得られた鉛直プロファイルおよびバルクXAFS分析による化学種・吸着構造の深度依存性から、表層での岩石風化により溶脱されたREEの移動メカニズムを解明した。 例えば、表層部のREEパターンに見られるセリウム(Ce)異常は風化の過程でCeのみがCe(IV)として酸化・固定されるために生じることや、その下層の濃集部ではREEが水和イオン(外圏錯体)として吸着されていることなどを定量的に明らかにした。一方、同じくREEを濃集した天然試料であるマンガン団塊ではREEは内圏錯体として吸着されており、これは陸水(イオン強度I = 0.001~0.01 M)と海水(I = 0.7 M)という両試料の存在環境の違いによるものだと考えられる(Nagasawa et al., 2020)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、サンプリングや分析を進めることができているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後に関しても、申請時の計画通り進める予定である。
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